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10841. 匿名 2024/05/02(木) 21:03:56
>>10832
⚠己の趣味に全振り
⚠諸々解釈違い多々有り
⚠何でも許せる方向け
「おなじ星」🌫 第8話
思い出した!すべて──!
俺が何者で今までどうやって生きてきたか
家族のことも兄さんのことも
そして──!
がる羽…君は…君はあの時の──!
玄関先ではいつものように朝ご飯の匂いが漂っていた
その匂いがたまらなく懐かしくて切なくて
ガラリ!と扉を開けると思わずその名を呼んだ
「…がる羽!」
「……え?」
驚いたがる羽を無一郎は有無を言わさず抱き締めた
「ごめんよ!ごめんよ!
俺…ずっと思い出せなくて…なのに…君は…!」
がる羽は優しくその頭を撫でた
「ああ…全部思い出したのね…良かった…」
そして無一郎の瞳を見つめると
「おかえりなさい」
と微笑んだ
がる羽の目には涙が浮かんでいた
無一郎は刀鍛冶の里での戦闘中に
今までのすべての記憶が戻った
家族のことも鬼に殺された兄のことも
そして記憶を失くしたまま鬼狩りとなり
毎夜毎夜ひたすら鬼を斬っていた
そんなある夜、両親と女の子が鬼に殺された家に行った
鬼はすぐさまその場で斬り捨てたが
背後に女の子が立っていたことに
彼女の悲鳴で気が付いた
女の子はこの家のもう一人の娘だったがたまたまその時家におらず
幸いにも助かったのだ
すぐさま隠が錯乱状態の彼女を保護して行ったが
無一郎は自分がもっと早く助けに来ていれば──と苦い後悔が残っていた
そうか…そうか…君は…
あの時の生き残った女の子だったんだね
君は俺のことを知っていた
知っていて何も言わず──
「…なぜ?」+27
-9
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10903. 匿名 2024/05/02(木) 21:47:06
>>10841
すみません!切れました💦
⚠己の趣味に全振り
⚠諸々解釈違い多々有り
⚠何でも許せる方向け
⚠🐚表現有り
「おなじ星」🌫 第9話
「…なぜ?」
「治療中の屋敷で隠の人に聞いていたのよ
貴方のことは…
何だか境遇が私と…似てるなあって
勝手に親近感を持っていたわ
あの夜双子座を見上げていた貴方を見て思わず声をかけてしまったの
双子の片方を亡くした孤独が
痛いほど私にはわかったから──」
ああ…そうだったのか
ずっと…記憶がなく君のことも忘れていることを知りながら
それでも笑顔でずっと俺に優しくしてくれていたなんて──
「もう…帰ってきてくれないのかと思った…」
胸元ががる羽の吐息と涙で熱い
「まさか…!
でも…遅くなってごめん…
ずっと…思い出せなくてごめん…
俺のこと…許してくれる?」
がる羽の耳元でひたすら詫びて
無一郎はがる羽の頬を手のひらに包むと
たまらなくなり優しく唇を重ねた
「こんなの…ずるい…」
唇を離すとがる羽は頬を染めながらむくれた
「許すなんてまだ言ってないのに…」
そんなことを言いながらあふれる涙を指で拭っている
そんながる羽が可愛くて思わず無一郎は吹き出した
「…大好きだよ、がる羽」
「……私も…」
再び重ねられた唇は優しく甘く
二人の隙間を埋めるように溶けていった
つづく
+33
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