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10642. 匿名 2024/05/02(木) 15:59:54
>>10099 ⚠️季節外れ⚠️供養⚠️解釈違い💎
「…ふざけてると思ってた?」
隣の席に座った気配を感じる。指の隙間から覗くと、机に伏せ、こちらを覗き込む瞳と視線が重なる。
「……あの、ふざけてるというか、沢山話しかけて下さって優しい方だな、と」
「優しい?」
「私が話しやすいように和ませてくださったり…やっぱりモテる方は気遣いが違うなぁってずっと思ってて」
「モテる、ねぇ。俺今、先生にまったくモテてないんだけど」
「…いや、それは」
…ずっと、どこか別の世界の人のように思っていた。いつも華やかで、輝いていて、見ているだけでドキドキするような魅力的な存在だった。でもその一方で、彼からみた私はさぞかし地味な存在だろうとも思っていた。同僚というラインを越えて近づくことなど考えたこともなかったのだ。それが、何故かこんなことに。
「…ていうか。俺、先生にモテたいわ。先生だけにモテたい。飯行きたい。寝る前に電話とかもしたい。…それで休みの日には大人の優雅なデートを!ド派手に!」
「わあああ!」
最初の呟き声が段々大きく、大胆になり始めたので慌てて遮った。色々と心臓に悪い。
「あの、職場でこういう話はよくないです」
「だって2人で会ってくれないなら、ここで話すしかねぇから」
「………何で?何で私なんですか?」
「……それ、全部聞いて欲しいから飯行こ」
「え?!」
「行ってくれないならここで話す。そもそも!俺の好みは」
「わあああ!」
更に大きくなった声を、再度遮る。
いよいよ余裕の無くなった私を可笑しそうに笑う。こんな風に詰められて、流石に有耶無耶にはできない。
「飯、行こ?」
「………はい」
「…!!」
………宇髄先生の方をチラリと見ると、机に突っ伏したまま動かない。
「ど、どうしました?」
「……噛み締めてる」
「か、噛み…?!」
「…俺、この1ヶ月かけて譜面を…いや、先生にどうやって本気を伝えようか、考えてたんだわ」
そしてハァーと深呼吸すると意を決したように顔をガバッと上げ、身体を此方に向けて座り直した。
「先生と行きたい店をみつけたんだけど、一緒に行ってくれる?」
いつもの涼しげな目元が、自信溢れる魅力的な唇が、今日は違って見えた。余裕がないのは私だけではなかったのかもしれない。初めて見る表情に胸がときめいた。
彼が伝えてくれたそれは、愛の囁きでも甘い誘惑の言葉でもない。何も飾らずに真っ直ぐ届けられたその言葉が嬉しくて、愛しくて、思わず笑みが溢れた。
「はいっ」
私の返事に、彼はもう動揺したりはしない。
迷いも不安もない彼の眼に、私が映る。
私の瞳も迷わない。
自信に溢れた魅力的な彼の口元が、いつものように「はは!」と豪快に笑った。
(おしまい)+32
-10
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10644. 匿名 2024/05/02(木) 16:04:17
>>10642
好き!
なんか、こういうことを書きたいのに延々とだらだら書いてしまいがちな私からしたらもう、場面の切り取りが完璧で、センスあるなぁって思います!
書いてくれてありがとう🫶
キュンも受け取ったし、すごく勉強になりました✨+23
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10654. 匿名 2024/05/02(木) 16:36:02
>>10642
あっ!続きが💕モテる男があなただけにモテたいとか…ブッ刺さるねぇ_:(´ཀ`」 ∠):_+18
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10660. 匿名 2024/05/02(木) 16:53:14
>>10642
ヤダ!!宇髄先生可愛い😍+21
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10665. 匿名 2024/05/02(木) 16:59:48
>>10642
普段豪快で自信満々なのにここぞって時に子犬みたいな一面出してくるの😇+20
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10677. 匿名 2024/05/02(木) 17:45:01
>>10642
最高ですわ
どこがいいのか全部言ってくれるんだ…🤤
+21
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10686. 匿名 2024/05/02(木) 18:15:07
>>10642
💎先生の職場ラブをなんて素敵に書いてくださるんだ〜✨ありがたやありがたや…❤️+19
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10977. 匿名 2024/05/03(金) 00:02:49
>>10642
教員免許とってくる…+16
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