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10572. 匿名 2024/05/02(木) 09:39:33
>>10565
⚠己の趣味に全振り
⚠諸々解釈違い多々有り
⚠何でも許せる方向け
「おなじ星」🌫第5話
「え?しばらく会えない?」
「うん…この刀、もうボロボロだから
打ち直してもらわないといけないんだけど
担当してた刀鍛冶が亡くなって新しい人に頼むことになるから
今回は俺が直接行かないといけなくて」
「…そう」
がる羽は少し寂しそうな顔をしたが
「じゃあ、待ってるから
気を付けて行って来てね!」
そう笑顔で送り出してくれた
そうして無一郎は刀鍛冶の里へと向かって行った
夜が明けてもしんとした空気にがる羽は慣れなかった
「ただいま」と玄関から声がすることはない
それほどにもう無一郎がここに帰るのは当たり前の日常になっていたのだと
今更ながらに気付く
何だか食欲もなく起きる気にもなれない
朝ご飯も作ろうという気力も出ない
ほろり…涙が自然に溢れてきた
この布団にはいつの間にか無一郎の匂いも染み付いていた
胸がきゅうっと締め付けられる
がる羽は布団を頭までかぶるとその匂いを吸い込んでしくしくと泣いた
つづく
+33
-9
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10617. 匿名 2024/05/02(木) 13:09:48
>>10572
読んでます📖+21
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10819. 匿名 2024/05/02(木) 20:51:04
>>10572
⚠己の趣味に全振り
⚠諸々解釈違い多々有り
⚠何でも許せる方向け
「おなじ星」🌫 第6話
あれから1週間が過ぎた
無一郎がいつ戻るのかは聞いていなかったけれど
いきなり一人になってしまうと
時間の感覚がわからなくなり
あの別れがひと月前にも半年前にも感じられた
がる羽は毎日朝から晩まで畑の作物の手入れをしていた
何かに集中していないと無一郎のことはおろか
思い出したくないことまでとりとめもなく考えてしまう──
一人にはようやく慣れた所だったのに…
その朝は久しぶりにきちんと起きて
採れたての大根を切り、ふろふき大根を作った
初めてうちでご飯を食べた時
無一郎が美味しいよと言ってくれたっけ…
コトコトと煮える鍋からのぼる湯気を見つめていると
突然玄関の扉がガラリと開いた
つづく
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