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10203. 匿名 2024/05/01(水) 19:18:56
>>9539
⚠己の趣味に全振り
⚠星座や季節が合わない点多々有り💦
⚠何でも許せる方向け
「おなじ星」第3話
朝日が昇る
「…ふう〜」
今日も任務は終わった──
無一郎が川辺を歩いていると風に乗って良い匂いがしてきた
ふと見やるとあの女の子の家からほわほわと湯気が出ている
気付くと無一郎は玄関先に立っていた
「あら!」
小窓から女の子が気付いて玄関の扉をガラリと開けた
「今帰りなの?お疲れさま!」
ニコリと笑うと不意に
「おかえりなさい!」と言われた
無一郎は反射的に
「た…だいま…」と答えた
こんなやり取りをするのはいつぶりだろうか?
「あ…ごめんね!何か…その…つい」
女の子はハッと我に返って恥ずかしそうに言葉を濁した
「い…いや…」
そんな気まずい空気の中
ぐうう〜っと無一郎の腹が鳴った
炊きたてのご飯やおかずの匂いに釣られるようにここに来ていた
一晩中の任務を終えて腹ぺこだったとはいえこれはさすがに恥ずかしい
思わず顔を赤らめた無一郎に
女の子はプッと吹き出して笑った
「良かったら一緒に朝ご飯食べない?」
つづく
+28
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10206. 匿名 2024/05/01(水) 19:23:00
>>10203
あれ?こんな素敵な話に気づいてなかった🌌
続きも楽しみにしています+22
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10250. 匿名 2024/05/01(水) 20:34:17
>>10203
コメントから気づきました〜♫
一話目の独白が胸に迫る。続きも追いかけたいと思います!+20
-4
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10431. 匿名 2024/05/01(水) 22:55:30
>>10203
⚠己の趣味に全振り
⚠諸々解釈違い有り
⚠何でも許せる方向け
「おなじ星」第4話
「はい!どうぞ」
「…ありがとう」
差し出された熱々のご飯と味噌汁を受け取る
ああ…温かい味噌汁が無一郎の五臓六腑に染み渡った
差し込む朝日とお椀から上がる湯気にぼやけて見える顔が…
あれ?誰だっけ?
思い出せない──
女の子はがる羽と名乗った
「がる…は…」
無一郎は口に出して呟いてみる
「本当はね、姉がいたのよ、双子の」
「双子…?」
「姉さんは料理上手でしっかり者だったけど、私はろくにご飯も炊けなくて…」
何だか…似たようなことをどこかで…
だが、無一郎は思い出せなかった
さっきもそうだ
眼の前に…頭の中にも靄がかかったようで──
がる羽に尋ねられても自分の家族はいたのか?どうだったのか?
それすら答えられなかった
だが、がる羽はそれ以上聞いてこず
「ね、私、ずいぶん頑張って煮炊きもできるようになったかな?と思うんだけど
お味はどうかしら?
人に食べてもらうの初めてだから…」
少し緊張気味に聞いてくる
「美味しいよ、ご飯もお味噌汁も
それに…これなんて特に」
無一郎が大根をぱくりと口に入れた
「本当に?良かったあ!」
がる羽はとたんに喜んで嬉しそうに話し出した
「これはね、ふろふき大根!
姉さんに教わったの」
食事を終えるとがる羽は家の外にある畑を案内してくれた
ささやかながら自分一人では多すぎるほどには色んな野菜を作っていた
「良かったら少しもらってくれない?」
「ああ…でも僕は料理が苦手なんだ」
せっかくの心遣いだが丁重に断ると
ガッカリするかと思いきや
「じゃあ、これから毎日うちにご飯を食べに来てよ」
「え?」
思わぬことを言われて無一郎は驚いた+30
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