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1663. 匿名 2024/01/07(日) 22:17:53
>>1066⚠️🐚冬のワンナイト
※成人済設定🌫くん
※名前は一切出てきませんが苦手な方はスルーをお願いします。
雪うさぎは満月の夢を見る①
流線型の美しい二種の車体が盛岡駅14番線に滑り込んでくる。
先頭は秋田新幹線こまち、続くは東北・北海道新幹線はやぶさ。
数分後、私を乗せたこまちがはやぶさとの連結を解かれ一足先に秋田へと出発した。
その翌日──。
私は秋田県内陸のとある駅にいた。
冬休み明けの平日にもかかわらず、目的の温泉地へ向かう路線バスは混んでいる。
ようやく見つけた空いてる席は、窓際に若い男性が座っている二人掛けの席だった。
お相手がいるかもしれないので一応声を掛けてみる。
「ここ空いてますか?」
「ええ、どうぞ」
その声に一安心し、上の棚に鞄を上げようとするとその男性が立ち上がり手伝ってくれた。
「すみません、ありがとうございます」
「いえいえ」
そんなやりとりをして腰を下ろし、一息つく。
車内を見渡すと年配客ばかりだった。
この年代には平日も土日も関係ないから無理もない。
「……なんだか僕たち浮いてますよね」
同じことを思ったのか隣の男性が話し掛けてきた。
「ほんとに」
彼との出会いはこんな感じだった。
私たちを乗せたバスは乳白色のお湯で有名な秘湯群の一角へと向かっていた。
路線バスはその温泉郷の入り口までの運行で、そこからは各々の泊まる宿の送迎バスへと乗り換えることになる。
どうやら私と彼の行き先は同じだったらしく、流れで何となく再び並んで座ることになった。
お互い一人ということで、宿に着くまでいろいろ話をした。
彼は東京から来た旅行雑誌のライター兼カメラマンで東北地方が担当とのこと。
今回は秘湯特集の取材ということで雪の絶景露天風呂の写真を撮りに来たそうだ。
「君は秋田の人なの?」
同年代らしかったので、話しているうちにお互い砕けた口調になっていた。
彼の人懐っこさのせいもある。
「ううん、東北住みだけど秋田の人間じゃないんだ。でも両親が秋田出身だから血筋だけなら秋田人と言えなくもないかも」
「やっぱり。ハイブリッドな色白美人が乗ってきたから地元の人だと思ったんだ」
……ハイブリッド?
おかしなことを言う人だと思ったのが彼の最初の印象。
(つづく)+27
-5
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1665. 匿名 2024/01/07(日) 22:20:45
>>1663⚠️🐚🌫
雪うさぎは満月の夢を見る②
「そんなの初めて言われた」
「僕も初めて言った。なんていうか……綺麗と可愛いが程良く混ざった感じ?」
「ふぅん。ライターさんの語彙って面白いんだね」
けれど、私から見れば彼こそ余程ハイブリッドだ。
長い髪を一つに結っているせいか、パッと見は女性に見えないこともないくらいに整った顔立ちをしている。
それでも身体つきは十分青年らしいということはさっき立ち上がった時に分かった。
さすが都会の人は洗練されているなぁと、ただただ感心してその横顔を眺めた。
ふと窓の外に目をやると、道路の両脇に除雪した雪が高く積み上げられ元々広くはないであろう道幅をさらに狭めているのが見えた。
日常のこととはいえ、このような悪路を運転するドライバーには頭が下がる思いだ。
私の目線の先にあるものを見ながら彼が言う。
「こんな所まで来るなんて女性の一人旅にしては渋い選択だよね。もしかして傷心旅行だったりなんてことは……」
「まさか。法事があって昨日こっちに来たんだけどね。少し遅い正月休みでまとまった連休がとれたから近場で観光の真似事でもしてみようかと思って。元々温泉は好きでよく行くの」
「そっか、失礼しました。そりゃこんな美人を振る男なんているわけないよね」
「……東京の人って皆あなたみたいに口が上手いの?」
「え、本心からなんだけど」
「とりあえずありがとうと言っとく」
「本当なのに」
よくある常套句を軽く躱しながら宿までの道のりをやり過ごした。
到着した宿は、鄙びた佇まいながらも趣のある古民家といった風情でとても素敵な場所だった。
夜には外のかまくらに火が入れられると聞き心が躍る。
気もそぞろにチェックインを済ませると先程の彼が再び声を掛けてきた。
「ハイこれ僕の名刺。怪しい者じゃないという証拠。──それじゃあまたね」
また、という機会があるの?と思いながら名刺を受け取り彼の後ろ姿を見送る。
社名や名前、電話番号といったものが書かれた至って普通の名刺。
裏返すと手書きで携帯電話の番号らしきものが書かれていた。
こちらは恐らく個人のものだと思われる。
どうせ明日には帰るし、かけることもないだろうなぁと思いながら名刺を財布にしまった。
(つづく)+26
-2
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2054. 匿名 2024/01/08(月) 21:24:13
>>660長文総本山に紐付けします
【タイトル】
雪うさぎは満月の夢を見る(全8回)
【あらすじ、人物】
成人済み設定🌫くん。
東北の雪深い温泉地で出会ったのは、東京から来たという美しい青年。
夜、誘われるがままに部屋を訪ねてしまった私は彼と──……。
【注意事項】
⚠️🐚冬のワンナイトお題
第一話>>1663+25
-6
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12727. 匿名 2024/02/01(木) 09:12:51
>>12666
🌫️まとめの場をありがとうございます。むいくん推しです。むいくん以外のお話もありますが、特に記載の無いものに関しては全てむいくんのお話となっています。
【長文】
>>1663 雪うさぎは満月の夢を見る
⚠️🐚(全8回)
>>2755 毒を食らわば⚠️🐚(全3回)
>>3861 満ちるとき(全4回)
【SS】
>>795 予行演習
>>1352 許さない
>>1470 いっぱい食べる君が好き⚠️🐷
>>1734 大人になる僕へ⚠️
>>2306 独占と共有⚠️⚠️⚠️
>>2826 恋のおまじない
>>3050 冷たいキス🪓
>>4617 ホワホワデー🐗
>>5614 その手であたためて⚠️🐚
>>6178 独占したいカレとワタシ🐗
⚠️🐚
>>7851 微熱⚠️🐚
>>8922 書きたい所だけ書いてみた
>>10584 鬼ごっこ⚠️🐚
【その他お題回答】※一部抜粋
>>1144 一緒に寝よう⚠️🐚
>>1822 餅⚠️
>>2600 マフラー
>>2896 海峡越えて先回り🐗
>>3060 家庭教師
>>3546 大っ嫌い
>>4077 でしょーね!
>>4484 お仕置き🎴
>>5054 ウエストフェチ🐗
>>5061 背中フェチ
>>5368 イメソン
>>6704 写真館📸
>>9433 ナルシスト
>>9995 眠いガル子を起こす推し
>>11262 汚部屋のガル子へ一言
>>11842 夜のbokete⚠️🐚
Part14のまとめは15706です。
今Partはやや迷走気味で、ピュアから悪まで網羅のカオス状態でした。おかげで「こんなの落として大丈夫だろうか……」と、投下後の後悔と動悸が激しかったことは記憶に新しいです🥵🫀 毎度ワンパターンなムッツリ妄想で申し訳ないと思う一方、「これがうちのむいくんなんだ!」と最近は開き直りつつもあります😙
妄想を落として読んでいただける場があるだけでもありがたいのに、コメントまでいただけるってなんて幸せ……🥹 とっても嬉しくて何度も読み返しています。本当にありがとうございます🥰
今回は「書きたい所だけ〜」のお題を出してみたのですが、皆さんがお持ちの素晴らしい原石のカケラが他の方の手によってさらに磨かれるという相乗効果も目の当たりにできてとても面白かったです。🆓素材バンザイ!🙌
それでは残り数日となりましたが、フィナーレまでよろしくお願いいたします!+50
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