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9967. 匿名 2023/10/21(土) 21:57:06
>>9940
⚠解釈違い⚠💎「寝言」つづき
思わず耳を疑った。
眠り続ける妻の顔を凝視する。甘い余韻は消え去ってしまった。
(落ち着け。聞き違いかもしれないだろーが)
と自分に言い聞かせたが心中穏やかではいられない。目もすっかり覚めてしまい眠るどころではなくなった。
(駄目…って、何がダメなんだよ。まさかとは思うが俺が留守の間に…いや、そんな女じゃない。だがここ数ヶ月は任務だったし、ろくに構ってやれなかっただろ。それが原因か?淋しくて間男を?でもこんな生業なのは一番よく知ってる筈だし俺を裏切るわけがねえ。じゃあ昔の、俺と出会う前の?あーーーもう、何で俺がこんな事で悩まなきゃなんねーんだ!)
心地良さそうに寝息を立てる妻が恨めしい。イライラするし脳味噌爆発しそうだ。
(悶々と悩んでも仕方ねえ、今すぐハッキリと問い正す!)
そう意気込んで忙しくする妻の手を掴み、話しかけた。
「太郎ってのは、何者だ」
「何ですか、天元様」
「お前が昨夜、寝言で呟いた名前」
「えっ、私、寝言で太郎って言いました?」
妻が驚いた顔を見せた。
「言った。だから何者なんだよ、ソイツは」
冷静に、と自分で思うものの声音がやや荒くなってしまった。嫉妬なんて情けねえ…と思った所で妻が弾けるように笑った。
「何笑ってんだよ」
「確かに心当たりがあります。申し訳ありません」妻は笑いを堪えている。
「どういう事だ」
「子犬の名前です。友人が飼い始めたのを見に行ったら、私によく懐いて可愛がってるんです。その子犬の夢を見たんですね、きっと」
「…………あっそ」
「天元様、今度ご一緒に見に行ってみます?」
「行かねえよ」
これ以上妻の顔を見れず後ろを向く。全くバカみてーに騒いじまった。ホッとするも、何だか悔しい。
寝言で呟くのが愛する夫の名前じゃなく、子犬の名前とはね。だが、本当に子犬の名前だろうか…
「本当に子犬の名前ですよ。ですから一緒に…」
「だから、俺は行かねーって」
最後はお互いに笑い合った。
さぁて、今夜はしっかり教えてやるとするか。
夫婦の寝所で呟いていいのは、俺の名前だけなんだよ、ってな。
おしまい+27
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10121. 匿名 2023/10/21(土) 23:09:49
>>9967
心の声が可愛くて好き♡+12
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10189. 匿名 2023/10/22(日) 01:02:38
>>9967
嫉妬しちゃう天元様可愛い❤️+15
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