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9377. 匿名 2023/10/20(金) 22:02:39
>>8194
続いてます。コメントありがとうございます!
「貴方に愛してもらえなくても」
⚠長文苦手な方はスクロール推奨
⚠若干の🐚匂わせあります
【二十三】
※
「どういうこと?結婚してからずっと?」
「いや、ここ何か月かって言ってたかなあ。酔ってたから記憶曖昧だし、ガル子も呂律まわってなくて。・・・・だから本当かどうかも分からないよ?」
あとさ、とモブ子は続ける
「旦那さん、海外赴任の予定あったから、もともと子どもはタイミング考えてるって、結婚する前から言ってたよね」
「海外赴任?」
「嫌だ、知らなかったの?覚えてなくてもてっきり旦那さんから聞いてると思ってた。出産事情も日本と違うし、親の手も借りられないけど、いっそ向こうで産む方が楽かなとか言ってたよ。妊娠中の飛行機も怖いとか。でも赴任自体が感染症で延期したとも言ってたから、もしかして中止になったかも」
電話越しにモブ子を呼ぶ声が聞こえてくると、「そう言う事だけど、あまり思いつめないで。ごめんね、話さない方が良かったかも。まだ記憶戻って混乱してるんだよ。またゆっくり話そう」早口で言われて、電話は切れた
ピースが一つずつ嵌まっていく。なのに出来上がった絵には違和感がある
肝心なピースが抜けている?それとも嵌めたピースが間違っている??
私たちは不仲で、しばらく夫婦生活も無かった
海外赴任。赴任・・・・・
「昨日の、健康診断・・・・」
義勇さんにごめんなさい、と心の中で謝ってから、彼の私物が置いてあるクローゼットを開ける
昨日もらったばかりなら、まだ取り出しやすい位置にあるはずだと踏んだのだが、やはりすぐに見つかり、一緒に辞令に対する書類がまとめてあった
辞令の予定は二か月後
・・・・そして、見たくないものも、クリアファイルに挟まれていた
私が連絡をするのは、一人だった。家族のことも、夫のことも、よく知る人物に
「待たせたな」
指定されたのは兄の職場近くのホテルのラウンジだった、私からの連絡に慌てて仕事を抜けて来てくれたが、迷惑ばかりかけて申し訳ない
一人で来られるかと心配されたが、財布もスマホも使えるし、乗り換えくらい覚えていると言ったらタクシーで来いと強く言われ、兄も過保護だと思ったが従った
兄はさくっとコーヒーを頼み、単刀直入に聞いてきた
「時間がもったいないから本題に入るが、どこまで思い出してる?」
「ところどころ?結婚して一緒に暮らしてたのも思い出したし。式のこととかも」
「実家に行ったのは?覚えてるか?」
首を横にふる。本当に何故か、実家に行った事情も何も覚えていない
「そうか。・・・もしかしたら一番思い出しくないのかもしれないな」
「どういうこと?がる菜は大丈夫なの?」
「・・・・ああ、がる菜は。……病院では嘘を付いた。具合悪くしてるのは、母さんの方だ。お前が帰った後に親父から連絡が来て、俺も病院に行った」
「お母さん?」
心臓がドキリと撥ね、なぜか脈打つ。母の名前を聞いただけで、何故・・・
続+26
-15
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9382. 匿名 2023/10/20(金) 22:05:21
>>9377
読んでます♡+14
-2
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9392. 匿名 2023/10/20(金) 22:11:16
>>9377
続いてます。
「貴方に愛してもらえなくても」
⚠長文苦手な方はスクロール推奨
⚠メンタルヘルスの描写あります
【二十四】
「俺も知らなかったんだが、ここ数年更年期うつで、病院にかかってたみたいだ。主治医の勧めで入院している」
「・・・・全然知らなかった」
「親父は俺もお前も立て続けに結婚して、変化がストレスなんだろうと思ってたみたいなんだが、思った以上に深刻だった」
「そんなに悪いの?私何かした・・・?」
「いや、誓っていうが、ガル子は何も悪くない。どこから話せば良いんだろうな。・・・・まず、俺達には伯母さんがいる。母の姉、だ」
「え?お母さんって二人兄弟じゃないの?」
伯父一家とは幼いころから交流があるし、従兄も結婚式に来てくれていた
「母の姉って人は、両親の期待や目が伯父さんに言ってるのを良いことに、若いころから好き勝手してたらしい。母さんはその反面教師で厳しく育てられて、あまり自由を与えられずに箱入りのまま父さんと結婚した。お前も知ってるだろうが、あの二人も家都合での結婚だ。親父はたまに浮気をしてた」「サイテー・・・」「それについてはとっくに絞めてる。時代もあったとか、家柄が上の母さんに見下されてるようで辛かったとか言ってたが、それとこれとは話が別だ」
全くだと頷いてしまう。コーヒーが運ばれてきたが、兄は礼を言った後に何かオーダーして、さっさと話を続けた
「それでも俺が産まれて、一年後にはガル子、お前を妊娠した。うまく行ってたように見えたんだが、その、お前の妊娠中に、よりによって、その、伯母さんと浮気をしたんだと」
「はあ?」
「俺もそれを聞いて思わず怒鳴りつけたよ。母さんがガル子が腹に居た時に浮気してたのは知ってたが、今回の件であまりに様子がおかしいから問い詰めたら、口を割った。本当によりによって、だ」
「そんなことがあったから、その母の姉さんは今は母さんとも縁を切ってる。たまに伯父さんのところに連絡がくるみたいだ。・・・で、伯父に連絡して送ってもらったんだ。伯母さんの画像。若い頃だけど」
ガル子は本当に全くのとばっちりなんだが、と言いつつ、スマホをクロールして画像を見せて来た
「・・・・え?これ・・・・」
「ああ。そういうことだ」
画像の写真は、私に似ていた。兄は父親似、妹は母親似で、私はどちらにも似ているのだと勝手に思っていたのに、その女性は私の母親だと言われても違和感が無かった
「伯母と姪だ。似ていてもおかしくない。でも母さんは生まれた時から父親の浮気相手に似てたお前に複雑な感情があって、その頃もメンタルヘルスの治療をうけていた。一番酷い時には、この子は父親と伯母の子だ、すり替えたんだろうと親父に訴えて、母は入院している」
大分言葉を和らげているが、つまり私を愛するのが難しかったのだろう
「でも兄さん、家にそんな事情があったこと、ずっと知ってたの?お父さんが浮気してたのも、お母さんが入院してたのも知ってたんでしょう?伯母さん・・・のこと知ったのが私が家に行った後で」
時系列を疑問に思って問うと、兄は気まずそうだった。何かいけないことを言ってしまったかと思ったが、取り戻せないので黙ることにする
「恥ずかしいんだが、嫁に指摘されて気が付いた」
「兄嫁さんが?」
「ああ。嫁とは大学で知り合って付き合いだしたんだが、結婚を意識しだしてから家にも招いていた。──覚えてないか?」
「・・・・覚えてる、ような?・・・・兄嫁さんがリビングで食事してたの何か・・・・」
「そうか。何度かうちに呼んだら、指摘された」
続
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