ガールズちゃんねる
  • 8957. 匿名 2023/10/20(金) 06:18:18 

    >>8698
    時空を超えた物語🍃⑥

    ずっと否定してきたガル田への気持ちを肯定し、ガル田を捕まえておくことを決めた。そう決めた途端に浮遊感のようものを感じ、自分の身体を見ると身体が透けている。
    「なんだよこれ!?」
    「元の時代に戻る時が来たみたいですね。あ、でもちょっと待ってください!まだ戻らないで!!」
    そう言って隠のガル田は小走りでどこかへ消えた。待てと言われても待てねェだろこれ。
    「お待たせしました!はい、これ!大正のお土産です!」
    そう言われて渡されたのは令和で俺が贔屓にしている老舗甘味処のおはぎだった。前世の俺もこれ食べてたのかよ。ていうか、なんで今…?そうこうしているうちにも身体は徐々に薄まっていく。

    「ちゃんと来世の私を捕まえていてくださいね!約束ですよ!」
    「わかってらァ。テメェこそちゃんと俺のそばで生まれ変われよ」
    「任せてください!令和の私とそのおはぎ食べてくださいね!」
    そのやり取りを最後に俺の身体は完全に消えた。今あいつ【来世の私】じゃなくて【令和の私】って言わなかったか?俺、令和なんて単語一回も口に出してねェんだけど…?


    「いっちゃった……」
    「ちゃんと令和に戻ったのか?」
    「不死川様!おかえりなさいませ!もしかして立ち聞きですか?趣味が悪いなぁ」
    「俺が帰ってきたのにも気づかねェで喋り倒してたのは誰だよ。しかも楽しみにしていたおはぎまで渡しやがって」
    「ははは……。会わなくて良かったんですか?ご自分の来世に」
    「あァ。言いたいことは全部テメェが言ってくれた」
    「もう一年も経つんですね。来世の私が時空を超えてきてから」
    一年前、ガル田にそっくりなヤツが現れた。そいつは令和という時代から来たと言う。俺にそっくりなやつのことが好きらしかったが、そいつの過去の恋話を聞いて子供の自分じゃダメかもと泣き言を言っていた。
    「そういえば不死川様は来世の私にどんな助言をしたんですか?」
    「………忘れたァ」
    「絶対覚えてるでしょう!」
    本当は忘れてねェ。俺がおまえを好きになった理由を話してやったんだから。その内容は………俺と来世のおまえだけの秘密だ。

    つづく⏳️

    +34

    -9

  • 8962. 匿名 2023/10/20(金) 06:43:44 

    >>8957
    まだ⑥まで追いついてないのだけども、読ませてもらっています🍃🌪️

    +19

    -3

  • 8971. 匿名 2023/10/20(金) 07:18:32 

    >>8957
    他推しだけどずっと読んでます
    まさか二人ともだったとは

    +22

    -2

  • 8978. 匿名 2023/10/20(金) 08:18:03 

    >>8957
    そうことなのか~

    +19

    -0

  • 9534. 匿名 2023/10/21(土) 07:10:10 

    >>8957
    時空を超えた物語🍃⑦最終話

    閉じている瞼に光を感じて目を開けると、そこはベッドの上だった。どうやら令和に戻ったらしい。そもそもあれは夢だったのか…。
    「…………夢じゃねェな」
    俺の手には隠のガル田が渡してきたおはぎの包みがあった。

    いつも通り学校へ行く。いつも通り授業をこなし、いつも通り放課後がやってきた。
    「不死川先生いますかー?」
    「……いるゥ」
    「え!いるんですか!?いつもは【いないから帰れ】って言うのに!」
    「………おはぎ食うかァ?」
    「食べますけど……え?本当にどうしたんですか。あれ?いつもの購買のおはぎじゃないんですね」
    驚いた様子でガル田が数学準備室に入ってきた。そして、いつも通り俺の隣に椅子を持ってきておはぎを頬張る。

    「美味しい!なんだか懐かしい味がします」
    嬉しそうにおはぎを食べているが、やっぱり口元を汚している。
    「おら、口元に餡が付いてんぞォ」
    いつもはティッシュを渡してやるのがお決まりだったが、口元に手を伸ばして餡を拭ってやる。俺の手が触れた瞬間ガル田がピクリと反応し、顔がたちまち赤く染まっていった。
    「今………え?……は?え??」
    「あのさァ、俺やっぱガル田のこと捕まえときたいんだけど」
    「………頭でも打ちました?」
    「打ってねェよ!色々考えさせられてようやく腹ァ括れた。俺はこれからもおまえと一緒にいたい。卒業してからも会いたいし、こうやって一緒におはぎ食べたりしたい」
    「えっと…………私のことが好き…ってことで……いいですか?」
    「それは4ヶ月後、おまえが卒業したら言うわァ。で?捕まえて良いのかよ」
    「捕まえたら離れないですけど…大丈夫ですか?」
    「上等。離す気なんざねェよ」
    俺の言葉を聞いてガル田が嬉しそうに笑った。前世の記憶なんてものは全然無ェが、俺たちの運命はきっと前世から決まっていたんだろう。俺がガル田のことを離そうとしたから【絶対に捕まえろ】と時空を超えて背中を押されたのかもしれない。

    「この恋が叶うとは思ってなかったです。私、子供だからダメかと思ってました」
    「人をロリコンみたいに言うなや」
    「あの人の助言は的確だったんだなぁ…」
    「助言?どんな」
    ────とりあえずそばで好き好き言って、一緒におはぎでも食ってろ。そいつが本当に俺の来世だってんなら、それだけでいつか必ずテメェに落ちる────
    「それは………私と彼だけの秘密です!」
    「さっそく浮気か。良い度胸だァ」

    おわり⏳️✨


    大正時代のガル子と実弥はPart12で書いた『あの日の約束🍃』の二人のつもりで書きました!覚えてくれている方がいれば幸いです🍃貼れてるかなぁ💦お付き合いいただきありがとうございました✨
    あの日の約束?①空が白み始め、夜の終わりを告げる。任務報告もそこそこに風屋敷へ... | ガールズちゃんねる - Girls Channel -
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