ガールズちゃんねる
  • 8698. 匿名 2023/10/19(木) 20:35:56 

    >>8581
    時空を超えた物語🍃⑤

    俺はガル田のことなんて好きじゃない。それを聞いた隠のガル田は気持ちを落ち着かせるかのようにゆっくりと息を吐いた。
    「じゃあ……あなたはガル田ガル子と出会わなくても良かったってことですか?」
    「はァ?」
    「だってどうでもいいってことでしょう?振り向いてもらえないなら私は来世であなたと出会いたくない。好きなのに、そばにいるのに不死川様に気持ちが伝わらないなんて私には耐えられない」
    こいつは隠のガル田だ。俺の知るガル田じゃない。だから何を言われても気にすることはない。でも…………俺とガル田が出会わない?そんなんありえねェだろ。

    「勝手な事ぬかすな。出会わなくても良かった?出会いたくない?もう出会っちまってんだよ!3年間も付きまとわれて、あいつがいない日々なんてもう想像できねェ!俺たちが出会わないなんてありえねェ」
    あいつと同じ顔で、同じ声で、俺に出会いたくないなんて言うな。
    「……………………」
    「なんとか言えや」
    「なんだかんだ言って、来世の私のこと大好きじゃないですか」
    「……好きで悪ィかよ」
    やってしまった。教師が生徒を好きなんてあってはならない。でも……心がなんだか軽くなった気がする。
    「かっこよかったですよ、今の啖呵」
    嬉しそうに隠のガル田が笑った。あいつもこれを聞いたら嬉しそうに笑ってくれるんだろうか。

    「でも、さすがに生徒のガル田には好きなんて言えねェわ」
    「生徒じゃなくなるまで待てばいいじゃないですか」
    たしかに、あいつはあと4ヶ月ほどで俺の生徒じゃなくなる。でも世間体がなァ。
    「でも世間体が~とか思ってます?」
    「なんで分かんだよ」
    「世間体とか気にしなくて良いじゃないですか。来世の私は誰に何を言われても、どう思われてもあなたがいてくれたら満足だと思いますよ。あなたは違うんですか?」
    違わねェ。世間体を気にした結果、他の野郎に取られるなんざ真っ平御免だ。捕まえときゃいいんだろ。令和に戻ったら捕まえてやるよ。しっかりとな。

    つづく⏳️

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  • 8779. 匿名 2023/10/19(木) 21:37:09 

    >>8698
    やっぱり好きなのね♡

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  • 8844. 匿名 2023/10/19(木) 23:07:29 

    >>8698
    ぎゃあああ!捕まえられたい!!
    続き楽しみにしてます✨

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  • 8957. 匿名 2023/10/20(金) 06:18:18 

    >>8698
    時空を超えた物語🍃⑥

    ずっと否定してきたガル田への気持ちを肯定し、ガル田を捕まえておくことを決めた。そう決めた途端に浮遊感のようものを感じ、自分の身体を見ると身体が透けている。
    「なんだよこれ!?」
    「元の時代に戻る時が来たみたいですね。あ、でもちょっと待ってください!まだ戻らないで!!」
    そう言って隠のガル田は小走りでどこかへ消えた。待てと言われても待てねェだろこれ。
    「お待たせしました!はい、これ!大正のお土産です!」
    そう言われて渡されたのは令和で俺が贔屓にしている老舗甘味処のおはぎだった。前世の俺もこれ食べてたのかよ。ていうか、なんで今…?そうこうしているうちにも身体は徐々に薄まっていく。

    「ちゃんと来世の私を捕まえていてくださいね!約束ですよ!」
    「わかってらァ。テメェこそちゃんと俺のそばで生まれ変われよ」
    「任せてください!令和の私とそのおはぎ食べてくださいね!」
    そのやり取りを最後に俺の身体は完全に消えた。今あいつ【来世の私】じゃなくて【令和の私】って言わなかったか?俺、令和なんて単語一回も口に出してねェんだけど…?


    「いっちゃった……」
    「ちゃんと令和に戻ったのか?」
    「不死川様!おかえりなさいませ!もしかして立ち聞きですか?趣味が悪いなぁ」
    「俺が帰ってきたのにも気づかねェで喋り倒してたのは誰だよ。しかも楽しみにしていたおはぎまで渡しやがって」
    「ははは……。会わなくて良かったんですか?ご自分の来世に」
    「あァ。言いたいことは全部テメェが言ってくれた」
    「もう一年も経つんですね。来世の私が時空を超えてきてから」
    一年前、ガル田にそっくりなヤツが現れた。そいつは令和という時代から来たと言う。俺にそっくりなやつのことが好きらしかったが、そいつの過去の恋話を聞いて子供の自分じゃダメかもと泣き言を言っていた。
    「そういえば不死川様は来世の私にどんな助言をしたんですか?」
    「………忘れたァ」
    「絶対覚えてるでしょう!」
    本当は忘れてねェ。俺がおまえを好きになった理由を話してやったんだから。その内容は………俺と来世のおまえだけの秘密だ。

    つづく⏳️

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