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8581. 匿名 2023/10/19(木) 15:07:47
>>8385
時空を超えた物語🍃④
前世のガル田と前世の俺が恋仲。そう聞かされても、すんなり受け入れられない。
「ありえねェ…」
「本当です!将来も誓い合ってます!」
「マジかァ…」
じゃあガル田が言っていた【前世で共に生きた仲】ってのは本当だったのか。あいつは前世の記憶があるってことか?
「来世の私もあなたのことが好きでしょ?」
「そうだなァ…。毎日、俺のところに来て好き好き言ってる」
「ふふ。そうだと思いました。私が不死川様に恋しないわけないですもん」
そう言って笑う隠のガル田はどこか嬉しそうで、前世から俺はこんなに思われていたのかと気恥ずかしくなる。
「あなたは来世の私を好きにならなかったんですか?」
「いや、好きとか好きじゃないとかじゃなくて……生徒だからなァ」
「生徒だからとかじゃなくて!女として好きにならなかったのかって聞いてるんです!お・ん・な・と・し・て!!!」
「教師が生徒を好きとか言ってみろ。大問題だろォ。教師である以上、生徒を女としてどうかなんて考えちゃいけねェんだよ」
あいつへの気持ちを否定する俺に、隠のガル田は盛大な溜め息をついた。
「あなた、なんでここに来たんですか?」
「そんなの俺が聞きてェわ」
「何かあったんじゃないんですか?来世の私と。何かあったから時空を超えて私のところに来たんじゃないんですか?」
私のこと捕まえとかなくて大丈夫ですか?とガル田に聞かれて、そんなこと聞くなと思った。俺の立場も考えろって。どうしようもない気持ちになって、いっそのことどこか遠くに行ってしまいたいと思って眠りについた。
「………………」
「心当たりがあるんですね?」
「まァ…」
「もう一度聞きます。あなたはガル子のこと好きじゃないんですか?」
「…………………好きじゃねェよ」
俺の言葉を聞いて隠のガル田が泣きそうな顔をした。それは一年前、俺の過去の恋話を聞いた時のガル田の顔にそっくりだった。
つづく⏳️+30
-6
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8597. 匿名 2023/10/19(木) 16:10:15
>>8581
ああ、もどかしや+15
-2
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8633. 匿名 2023/10/19(木) 18:32:53
>>8581
気になるぅぅ!+15
-0
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8698. 匿名 2023/10/19(木) 20:35:56
>>8581
時空を超えた物語🍃⑤
俺はガル田のことなんて好きじゃない。それを聞いた隠のガル田は気持ちを落ち着かせるかのようにゆっくりと息を吐いた。
「じゃあ……あなたはガル田ガル子と出会わなくても良かったってことですか?」
「はァ?」
「だってどうでもいいってことでしょう?振り向いてもらえないなら私は来世であなたと出会いたくない。好きなのに、そばにいるのに不死川様に気持ちが伝わらないなんて私には耐えられない」
こいつは隠のガル田だ。俺の知るガル田じゃない。だから何を言われても気にすることはない。でも…………俺とガル田が出会わない?そんなんありえねェだろ。
「勝手な事ぬかすな。出会わなくても良かった?出会いたくない?もう出会っちまってんだよ!3年間も付きまとわれて、あいつがいない日々なんてもう想像できねェ!俺たちが出会わないなんてありえねェ」
あいつと同じ顔で、同じ声で、俺に出会いたくないなんて言うな。
「……………………」
「なんとか言えや」
「なんだかんだ言って、来世の私のこと大好きじゃないですか」
「……好きで悪ィかよ」
やってしまった。教師が生徒を好きなんてあってはならない。でも……心がなんだか軽くなった気がする。
「かっこよかったですよ、今の啖呵」
嬉しそうに隠のガル田が笑った。あいつもこれを聞いたら嬉しそうに笑ってくれるんだろうか。
「でも、さすがに生徒のガル田には好きなんて言えねェわ」
「生徒じゃなくなるまで待てばいいじゃないですか」
たしかに、あいつはあと4ヶ月ほどで俺の生徒じゃなくなる。でも世間体がなァ。
「でも世間体が~とか思ってます?」
「なんで分かんだよ」
「世間体とか気にしなくて良いじゃないですか。来世の私は誰に何を言われても、どう思われてもあなたがいてくれたら満足だと思いますよ。あなたは違うんですか?」
違わねェ。世間体を気にした結果、他の野郎に取られるなんざ真っ平御免だ。捕まえときゃいいんだろ。令和に戻ったら捕まえてやるよ。しっかりとな。
つづく⏳️+32
-6
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