ガールズちゃんねる
  • 8579. 匿名 2023/10/19(木) 15:00:01 

    >>8457
    高嶺の彼岸花
    第二話
    ガル山ガル子は才色兼備で先生からの信頼も厚い うちの高校はもちろん他校にもファンクラブがあると聞いた事があった 生徒会長も任されている為校内を歩くだけで芸能人並に歓声が上がる 男女問わず憧れの存在…まぁ俺とは縁のない世界の人だからな…

    「彼岸花ねぇ…」特にやる事もない昼休み 珍しく図書室に行ってみる「調べてみるか…」いつもはスマホで検索するのだが今日は植物図鑑をめくってみたい気分で小学生の夏休みの宿題以来の調べ物だ

    彼岸花は異名の数がものすごく多く方言を含めると約1000にも上るらしい 

    彼岸花の花言葉は、“悲しい思い出"

    赤い美しさはもちろん[狐ばな]という呼称に一種の妖しさが感じられる

    図書室の窓から眺める秋の空は澄み渡っていた 紅葉が色付き始め週末は天気が良いとの予報だったので気分転換にバイクで走りに行こうかな…16歳で初めてバイクの免許を取って父親のお下がりの単車に乗った時の爽快感は今でも忘れられない 自宅から自然豊かな場所の道の駅を目指す往復4時間のツーリングは俺にとってはとびきりのご褒美タイムなのだ。

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  • 8648. 匿名 2023/10/19(木) 19:03:13 

    >>8579
    高嶺の彼岸花
    第三話
    待ちに待った週末 朝からツーリング日和で俺のテンションは上がり口笛を吹きながら階段を降りて自宅を出る際に父親から 景色ばかり眺めて事故するなよ と釘を刺される「そんな運転するようなガキじゃねぇから安心しろよ」とぶっきらぼうに返事をしてヘルメットを被ってバイクに跨りバイクグローブの留め具をつけてからエンジンをかけた

    道が空いていたのでいつもより早く住宅街を抜けるとのどかな景色が広がり田んぼには稲穂が黄金色に輝き秋の実りを感じさせる 信号待ちで止まると柿や栗の木もあり無人販売所では沢山の野菜達が買ってもらうのを待ちわびている光景を見て「秋ってなんか気持ちが良いよな…」そんな事を考えながらいくつもの山を越えバイクは目的地へ到着した

    数年前にロードレースの世界大会で使われたこの道はバイクはもちろん競技用自転車などの愛好家達にも人気があるので最近は道路が混んでいる事も多く特に紅葉の季節は観光客も多いので道の駅の駐車場は大混雑していて順番待ちをしてようやく停める事が出来た 一息入れようと自動販売機でジュースを買おうとボタンを押すと背後から『あれ?もしかして謝花くん?』こんな場所で知り合いなんかいたかな?と思い振り返るとそこにはガル子が立っていたのだ。

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