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2409. 匿名 2023/10/09(月) 17:34:23
>>2149
【趣味に全振り】⚠️
悲鳴嶼部長と干物女 4/6
仕事の終業時刻が近づく頃、社内メールで悲鳴嶼部長から今夜の場所と定時の1時間後を開始時間にしていいだろうか?との連絡が来ていた。
さらに、自分は営業に出ているから申し訳ないが現地集合で頼むとも記載があった。会社を出て2人で一緒にお店に行くのを、誰かに見られでもして、変な噂でも立てられたら堪らない。現地集合で良かった♡と安堵し、添付された店の地図を見ながらそんな事を考えていたら「ガル山主任?」と部下が声をかけてきた。
余程、難しそうな顔をしていたらしい。
「ううん。何でもないよ。」と咄嗟に切り替えて、部長にはお店の手配へのお礼を送信し、残りの仕事を終わらせた。
ただの上司からの、単なる飲みの誘いである。むつかしく考える必要など無いのだ。
待ち合わせ場所に着くと、気軽な大衆居酒屋だとばかり思っていたのに、偉くお洒落なお店の外観に一瞬身構えた。『え、アタイ間違った?』送られてきたお店の地図ばかりみて、店の雰囲気や料理内容を良く見ていなかったのである。
たまたま社内会議があったから、いつもよりはきちんとした格好をしていたが少し敷居が高い…。
恐る恐る中に入り、予約者の名前と部長はもう来ているのかを告げると「悲鳴嶼様のお連れ様ですね。悲鳴嶼様はお見えでいらっしゃいますよ。」と笑顔で部屋へと案内された。
「すみません、お待たせしました…」
「全然。少し分かりにくい場所だっただろう?すまなかったな。」
「あまりここら辺には来ないので…」
作り笑いを浮かべながら部長の向かいに座る。差し出された酒類のメニューに目が輝いてしまったのを見逃さなかったらしく、
「ハハハ、何でも好きなものを頼みなさい。今日は私が誘ったんだから気にしなくていい。」
「いえ…そういう訳には…」
「遠慮するな。私達の仲だろう。」
「仲って…部長もう酔ってます?」
「まさか…と言いたいが実はな…君を待つ間に2杯飲んだ。」
「ふふふ、今日少し暑かったですもんね」
「ああ、暑かったし、君と2人だと思うと緊張してしまってな。まあこれくらいの度数なら水みたいなもんだから」
緊張ね…私は普段仕事では、例え上司であってもキツい事を言う時は言っている。
だから多分、私がまた何か指摘するんじゃないかって怯えてるのかもな…さすがに飲み会じゃそんな事はしないんだけど…。
とりあえず、せっかくだし楽しい時間を過ごして、適度に仕事の話でもして帰るか…なんて考えていた。
が、いざ飲み始めると悲鳴嶼部長は全く仕事の話をしなかった。最初こそ、趣味の話や普段の生活の話を楽しそうにしていた部長だったが、途中からお酒が進んだ私の面倒くさい話を「うん、うん」と嫌な顔をひとつせず聞いてくれたのだ。
苦手だと思っていた上司に、お酒を飲んでいたからとはいえ思った以上に自分の話をしてしまった私は、帰り際に外に出て秋の冷たい空気に触れ、少し目を覚まして慌てた。
「今日…話した事は全部忘れてくださいね。お酒のせいで何だか色々話して…しまいましたけど…」
「ああ、誰にも言わないから大丈夫だ。だけど忘れるのは難しいな。」
「…忘れてくださいってば」
並んで2人で最寄りの駅をめざしながら、ふらふらと歩く足元は少しふらついていた。あー馬鹿だ。少し飲みすぎたな…
「ガル山くん。大丈夫か?」
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そこからの記憶が途中ぷつりと途絶えた。+52
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2414. 匿名 2023/10/09(月) 17:42:47
>>2409
うわあ💘好きすぎて胸が苦しい 悲鳴嶼部長素敵+29
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2420. 匿名 2023/10/09(月) 17:57:15
>>2409
ドキドキドキドキ💓悲鳴嶼部長かっこいいなぁ!
私だったらいい(勝手に)いい方に解釈してすぐ惚れてしまう!続き楽しみにしてますが無理しないでくださいね🍵+30
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2423. 匿名 2023/10/09(月) 18:03:46
>>2409
途中すみません 一言!
この📿さん凄く好きです‼️続き楽しみにしてます
+27
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2429. 匿名 2023/10/09(月) 18:13:03
>>2409
悲鳴嶼部長のこの妙な色気はなんなんだろう…ドキドキしながら続き楽しみにしてます💓+29
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2621. 匿名 2023/10/09(月) 21:52:34
>>2409
【趣味に全振り】⚠️
悲鳴嶼部長と干物女 5/6
⚠️深いキス有
ぼんやりと目を開くと、薄暗い部屋の天井は高くて見慣れないかたちをしている。
働かない頭で横を向けば、離れた位置でソファに座ったままで、目を瞑った悲鳴嶼部長の姿が見えた。
「わアッ…」と思わず声が出た。その声に反応してビクッと悲鳴嶼部長の目が開いた。
「起きたか。」優しく微笑んで、立ち上がってこちらに向かってくる部長。
話を聞けば、あの後部長と電車に乗り、途中で寝てしまったらしい。
部長がいくら起こしても起きず、担いでとりあえず部長の自宅へ連れてきて寝かせてくれていたらしい。
ふとんの中の洋服は確かにそのままで、部長が言うことは嘘じゃないだろう
…てか私迷惑かけすぎだな…
「本当にすみません。今すぐ帰ります。」
腕時計を見れば、時間は夜中の3時近く。
「気にするな。私が悪い。君があまりに美味しそうに飲むものだから、本当は止めて上げればよかった。もう遅いから朝になったら送っていこう。」
明日が祝日で休みで良かったと頷いて、差し出された水のペットボトルを受け取った。
「楽しかった。君をまた誘っても?」
「…私も楽しかったです」
整然とした部長の部屋の、広くて整えられたベッドで水を飲む。散らかった自分の部屋と捨てずに忘れていた机の上のお酒の缶を思って少し情けなくもなった。けれど、それが私だ。この人は私とは全く違う人種。
でも、今日分かったのは優しくて人情味がある人だということ。
自分の話をするのが苦手な私が、お酒を飲んでいるからとはいえ色々話してしまった。
今日あった会議の弱音だって絶対誰にも言わないはずが、つい零してしまった。
「今日話した事は忘れてくださいね、絶対。」
ペットボトルをぎゅっと握って絞り出した言葉。
「忘れられないと言っただろう」
部長が隣に座って、ギシッとベッドが鳴る
近づいた顔に、まるで大切なものでも触るかの様なそっと頬にふれた手に、一瞬、心を奪われていたら唇が重なっていた。
驚きで腕のシャツをぎゅっと握って抵抗しようとしたけれど、柔らかくて厚い舌はいとも簡単に私の口内に侵入した
「ん…むっ」
唇が触れた瞬間は優しくて伺うようだったそれも、舌が絡めば情熱的だった。
応えるつもりがなかったのに、求められるがままに音を立てて舌を絡ませ、舐りあった。
しばらくして、チュッと音を立てながら名残惜しそうに唇が離れ、そのまま強く抱き締められ、逞しい胸板に寄せた耳に悲鳴嶼部長の早い鼓動が伝わってきた。シャツからは品のいい香水の香りがして、今にも蕩けてしまいそうだった。
きっとこれはお酒のせいだ。
お互い酔っているのだ。
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