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2313. 匿名 2023/10/09(月) 13:53:51
>>2028
M.Tokito君🌫②
気になっていたカフェ店員『時透 無一郎』の名前を知ってから一週間。待ちに待った金曜日が来た。早々と仕事を終らせて彼が働くカフェへ向かう。店内を覗くとやっぱり今日も働いていた。果たして彼は私のことを覚えているのだろうか?
「いらっしゃいませ。あ、こんばんは」
「こんばんは」
彼は私のことを覚えてくれていた。その喜びで思わず顔がニヤけそうになる。
「カフェオレを店内で…でいい?」
「覚えててくれたの?」
「そりゃあ【毎週金曜日に同僚と飲みにも行かず一人でカフェオレを飲みに来る社会人女性】なんて嫌でも覚えるよ」
お会計を済ませてドリンクカウンターへ向かう。酷い言われようだったけど、彼が前から私を認知していたんだと分かり、もうニヤける顔を抑えることはできなかった。
「お待たせいたしました…って、なにニヤけてるの」
金曜日のこの時間は比較的お客さんが少ないからレジカウンターもドリンクカウンターも彼一人で回していることが多い。
「そういえば君の名前聞いてないんだけど」
「あ、そっか。私はガル田 ガル子です」
「あー、ぽいね。それっぽい顔してる」
「それは良い意味?悪い意味?」
「良い意味、良い意味。よし、ちゃんと覚えたから」
「本当~?」
「記憶力は良いんだよ」
他愛の無い会話をしているとお客さんが来店し「いらっしゃいませ」と時透君はレジカウンターへ向き直った。
「それじゃあガル子、また来週ね」
「あ、うん」
私は時透君が持ってきてくれたカフェオレを手に席へ向かう。え?今、しれっと私のこと呼び捨てにしたよね?しかも「また来週」って…え?
席に座ってからも時透君のことが気になりチラチラと見てしまう。たまに目が合うとニコっと笑ってくれて、その笑顔がまた可愛いやらかっこいいやら…。どうやら私は時透無一郎の沼にはまってしまったようだ。
つづく☕+44
-3
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2319. 匿名 2023/10/09(月) 14:02:33
>>2313
①の 男らしい字 で私も落ちた…
続き待ってました☕そして呼び捨てでさらに沼に沈む😇+29
-0
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2324. 匿名 2023/10/09(月) 14:15:58
>>2313
カフェ店員のむいくん、素敵です。このお店に通いたいです😇笑 続き楽しみにしてます。
+30
-1
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2424. 匿名 2023/10/09(月) 18:05:32
>>2313
M.Tokito君🌫③
時透君に「また来週」と言われて一週間が経った。会いたくて仕方がなかったけど、がっついていると思われたくなくて金曜日まで我慢した。今日は仕事がハードだったから早く時透君に会ってパワーチャージしたい。
「いらっしゃい。カフェオレでいい?」
「うん」
もうすっかり知り合いかのような自然なやり取り。今日も時透君はかっこいいなーと思いながら密かにパワーチャージをする。
「ガル子、もしかして疲れてる?」
「分かるの!?」
「いつも仕事終わりで疲れた顔してるけど、今日は更に疲れてそうだなって」
カフェ店員さんってそんなことまで分かるのかと感心してしまう。それとも時透君が私のことをちゃんと見てくれてるとか?いやいや、相手は年下。自惚れたら痛い目を見る。
ドリンクカウンターでカフェオレを待つ。今日は早く寝て、明日はのんびり過ごそう。そう考えていると時透君がカフェオレを持ってきてくれた。
「お待たせいたしました」
「ありがとう……?」
トレーにはカフェオレのカップと、スーパーで売ってそうな個包装のチョコレートが数粒乗っていた。
「これは?」
「んー?甘いもの食べたら疲れが吹っ飛ぶかなって。チョコ苦手だった?」
「ううん、好き!」
「ならどうぞ。店の商品じゃないからこっそり食べてね」
お店の商品じゃないってことは時透君の私物なわけで…。もう、これは自惚れてもいいんじゃないかと思ってしまう。
席に座り、チョコを口に入れると疲れた体に甘さが染み渡る。カフェオレを飲み終わる頃には疲れなんて忘れていた。お店を出る時にレジカウンターを見ると、接客中の時透君と目が合った。
「またね」
お客さんの目を盗んでしてくれた口パクが、まるで内緒話をしているかのようで心臓が跳ねる。今日は早く寝ようと思っていたのに時透君のせいでなかなか眠れない夜を過ごしそうだ。
つづく☕+46
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