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                2149. 匿名 2023/10/09(月) 10:36:51 >>2128
 
 【趣味に全振り】⚠️
 
 悲鳴嶼部長と干物女 3/6
 
 
 いつもの私なら、ちょっとやめてくださいよ!と苦笑いでもしながら、言い返していただろう。
 
 一瞬、ぶわっと泣きそうになった私は俯いて、
 それに構うことなく悲鳴嶼部長は、
 
 「今夜、君が良かったら飲みに行かないか?」
 
 と続けた。
 
 私は、社内の人と個人的に飲みに行くことがまず無い。
 社内の飲み会だって本当は嫌々参加しているくらいだ。1人が好きだし家が好きなのだ。
 
 予定があるので…とうまく断るはずが、「行きます。」と答えていた。
 
 あまりにショックで脳がバグっていたのだろうか。
 
 「他に誰か誘いましょうか?」
 
 私と2人で飲んでも、今日のメンタルじゃきっと何も楽しい話なんて提供出来ない。
 
 「いや、君と2人で行こう。違うな、君と二人がいいと言うのが的確だろうな。」
 
 「…わかりました。お店は決めて下さると助かります。私詳しくなくて…」
 
 「決まったら、社内メールするよ。君の個人的な連絡先は知らないから。」
 
 「よろしくお願いします。」
 
 頭を下げて、自席へ戻った。
 
 
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 あーあ、あの部長と2人で飲みに行く約束をしちゃうなんて、今日の私はやっぱりおかしい。
 
 自分で思っている以上に企画書のショックが大きかったせいだと結論づけて、自席に戻った私は仕事を再開した。
 
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                2198. 匿名 2023/10/09(月) 11:40:39 >>2149
 途中で失礼してすみません。
 全部読んでます!!+27 -7 
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                2203. 匿名 2023/10/09(月) 11:44:10 >>2149
 ガル子さんめっちゃ口説かれてますめっちゃ口説かれてますよー!気づいて😂♡+28 -6 
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                2221. 匿名 2023/10/09(月) 12:18:01 >>2149
 好き💘好き💘続き楽しみに📿してます+22 -6 
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                2333. 匿名 2023/10/09(月) 14:32:52 >>2149
 お話途中でのコメント失礼します!!
 めちゃ楽しみに読んでます😊
 
 もう、、このガル子さんが羨まぎょめぴーー!!!+23 -6 
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                2409. 匿名 2023/10/09(月) 17:34:23 >>2149
 【趣味に全振り】⚠️
 
 悲鳴嶼部長と干物女 4/6
 
 仕事の終業時刻が近づく頃、社内メールで悲鳴嶼部長から今夜の場所と定時の1時間後を開始時間にしていいだろうか?との連絡が来ていた。
 さらに、自分は営業に出ているから申し訳ないが現地集合で頼むとも記載があった。会社を出て2人で一緒にお店に行くのを、誰かに見られでもして、変な噂でも立てられたら堪らない。現地集合で良かった♡と安堵し、添付された店の地図を見ながらそんな事を考えていたら「ガル山主任?」と部下が声をかけてきた。
 余程、難しそうな顔をしていたらしい。
 「ううん。何でもないよ。」と咄嗟に切り替えて、部長にはお店の手配へのお礼を送信し、残りの仕事を終わらせた。
 ただの上司からの、単なる飲みの誘いである。むつかしく考える必要など無いのだ。
 
 待ち合わせ場所に着くと、気軽な大衆居酒屋だとばかり思っていたのに、偉くお洒落なお店の外観に一瞬身構えた。『え、アタイ間違った?』送られてきたお店の地図ばかりみて、店の雰囲気や料理内容を良く見ていなかったのである。
 たまたま社内会議があったから、いつもよりはきちんとした格好をしていたが少し敷居が高い…。
 恐る恐る中に入り、予約者の名前と部長はもう来ているのかを告げると「悲鳴嶼様のお連れ様ですね。悲鳴嶼様はお見えでいらっしゃいますよ。」と笑顔で部屋へと案内された。
 
 「すみません、お待たせしました…」
 「全然。少し分かりにくい場所だっただろう?すまなかったな。」
 「あまりここら辺には来ないので…」
 作り笑いを浮かべながら部長の向かいに座る。差し出された酒類のメニューに目が輝いてしまったのを見逃さなかったらしく、
 「ハハハ、何でも好きなものを頼みなさい。今日は私が誘ったんだから気にしなくていい。」
 「いえ…そういう訳には…」
 「遠慮するな。私達の仲だろう。」
 「仲って…部長もう酔ってます?」
 「まさか…と言いたいが実はな…君を待つ間に2杯飲んだ。」
 「ふふふ、今日少し暑かったですもんね」
 「ああ、暑かったし、君と2人だと思うと緊張してしまってな。まあこれくらいの度数なら水みたいなもんだから」
 
 緊張ね…私は普段仕事では、例え上司であってもキツい事を言う時は言っている。
 だから多分、私がまた何か指摘するんじゃないかって怯えてるのかもな…さすがに飲み会じゃそんな事はしないんだけど…。
 とりあえず、せっかくだし楽しい時間を過ごして、適度に仕事の話でもして帰るか…なんて考えていた。
 
 が、いざ飲み始めると悲鳴嶼部長は全く仕事の話をしなかった。最初こそ、趣味の話や普段の生活の話を楽しそうにしていた部長だったが、途中からお酒が進んだ私の面倒くさい話を「うん、うん」と嫌な顔をひとつせず聞いてくれたのだ。
 苦手だと思っていた上司に、お酒を飲んでいたからとはいえ思った以上に自分の話をしてしまった私は、帰り際に外に出て秋の冷たい空気に触れ、少し目を覚まして慌てた。
 「今日…話した事は全部忘れてくださいね。お酒のせいで何だか色々話して…しまいましたけど…」
 「ああ、誰にも言わないから大丈夫だ。だけど忘れるのは難しいな。」
 「…忘れてくださいってば」
 並んで2人で最寄りの駅をめざしながら、ふらふらと歩く足元は少しふらついていた。あー馬鹿だ。少し飲みすぎたな…
 「ガル山くん。大丈夫か?」
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 そこからの記憶が途中ぷつりと途絶えた。+52 -29 
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