ガールズちゃんねる
  • 15925. 匿名 2023/11/01(水) 22:12:01 

    >>9493つづいたよ!⚠️スポーツの秋⚠️日シリ記念⚾
    【続】ビールの売り子ちゃん🌼のちいさな恋🍻
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    遂にここへ戻ってきた。日本一を決める大舞台。

    「ビールいかがですか〜っ!」

    シーソーゲームの末、同点で迎えた終盤。観客のボルテージはMAXになる。
    いつもの常連さんたちもご機嫌で、沢山お声掛けいただき、売上は上々。背負っているビールサーバーが軽くなりつつあり、左手指に挟んだお札もいっぱいになってきた。
    そろそろビールの補充にいく頃合だな、と階段を降りて控え室に行こうとしたその矢先。

    ど ん っ!!

    「わっ…すすすみません!!」

    お客様とぶつかってしまい、急いで振り向いて頭を下げた。そのはずみで帽子に付けている🌼を落としてしまった。とても大事な物なのに……!
    ビールサーバーはとても大きくて場所をとる。いくら細心の注意を払っていても、通りがかりの方と当たってしまうことが稀にある。その度に謝罪をしているけれど、、どうしよう…。あいにく、ビジターのユニフォームを着た少しガラの悪そうな方だった。

    「アァ?どこ見て歩いとんねん」
    「大変失礼いたしました。お怪我はないですか…?」
    「あー…そういやココが痛えなぁ〜ねーチャンにどう落とし前付けてもらおうかねぇ…」
    ぐっと迫られて怖くなり目を瞑ったその時だった。

    「お客様、お止めください」

    聞いたことある声がして、顔を上げると視界を真っ黒なものに遮られた。大柄な男性が目の前に立ちはだかっていたのだ。
    そうだこのハスキーな声…!忘れる訳ない。ずっと、探していたから。
    でも、“あの時”とは様子が違う。上から下まで黒いスーツで、首からぶら下げているのは『staff』入りのネームカード。しかも、髪を上の方でお団子に結っていた。

    「俺にはお姉さんに当たりに行ってるように見えましたけど。」
    「あ"ぁ?やかましなぁ……!」
    「…いい加減にしねえと出禁になりますよ?」
    鋭い目付きとドスの効いた声にたじたじになった男は、バツが悪そうに観客席に戻っていった。

    「大丈夫ですか?」
    「あ、ありがとうございます。。あのっ!モヒカンにーちゃんですよね?!」
    「え?モヒ・・「あぁ〜〜〜!今のは忘れてください!!こっちの話ですからッ!!」
    妄想の中でのあだ名を思いっきり口にしてしまい、慌てふためいた私の様子を見て、彼はくつくつ笑い始めた。
    「ガル子さん面白っ!wwまた会いましたね。」

    嬉しい。また逢えた。覚えててくれたんだ。しかも名前まで…
    「この前も、さっきも、助けてくださってありがとうございました。」と頭を下げる。
    「どういたしまして。ご無事で何より。」
    私服もスポーティーでかっこよかったけど、スーツ姿もすごく素敵だ。あまりの緊張でもじもじしてしまう〃〃

    つづく🍺

    +26

    -3

  • 15929. 匿名 2023/11/01(水) 22:14:24 

    >>15925
    待ってたで🍺(第三者目線でおばちゃんで妄想してた)

    +22

    -0

  • 15930. 匿名 2023/11/01(水) 22:15:11 

    >>15925
    すんげー気分いいから読むの楽しィ!!!🍻⚾️

    +18

    -0

  • 15931. 匿名 2023/11/01(水) 22:16:08 

    >>15925
    このシリーズ好きです🌼
    ほわほわ(⁠ ⁠◜⁠‿⁠◝⁠ ⁠)⁠♡

    +19

    -0

  • 15935. 匿名 2023/11/01(水) 22:18:57 

    >>15925
    スーツ&スタッフカード似合う💕

    +21

    -0

  • 15941. 匿名 2023/11/01(水) 22:26:34 

    >>15925
    タイムリー⚾️なお話でワクワクします💗
    お団子髪にスーツですか?!絶対、絶対カッコよ過ぎですね😍モヒカンにーちゃんっていっちゃうガル子ちゃん可愛いw

    +18

    -1

  • 15982. 匿名 2023/11/01(水) 23:10:45 

    >>15925つづきだよ!⚠️スポーツの秋⚠️日シリ記念⚾
    【続】ビールの売り子ちゃん🌼のちいさな恋🍻
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    「…えぇと、球団関係者の方だったんですね。」
    「ハイ!この前はプライベートで来てたんです。つーかル子さん、いつも誰かに絡まれてるから心配になる。」
    気付くと、彼の大きな手にはさっき私が落とした🌼が握られている。
    「ちょいじっとしてて。ほら、大事なもの。」
    そう言うと、私の帽子の定位置に🌼を挿し直してくれた。凛々しい顔がすぐそこまで近づくと、いい香りがして胸がとくんと高鳴る。大きな瞳に高い鼻、キュッとしまった唇…すべてに目を奪われる。
    「これでよしっ!」と目尻を下げるその顔はとても優しかった。

    「いつもすみません…!あの、よかったら……えっと、そのぉ……、、
    「ん、なんだ?」

    ━━がんばれ私。長女でしょ!また逢えたらって、たくさんたくさんシミュレーションしてきたんだから。大丈夫!

    その時、アルプススタンドからメガホンを叩く音と共にチャンステーマが流れ始めた。
    『振り抜け!かっ飛ばせ!』
    大合唱に背中を押されるように、声を振り絞る。

    「よよよかったらお礼に、今度私とご飯行ってくらはいっ!」

    ━━ぅわぁぁあ…サイアク!最後めっちゃ噛んだし声上擦ったぁぁ

    絶対笑われる…⤵そう思ってたのに。彼は困ったように笑い、後れ毛を耳にかけて呟いた。
    「あーあ、先言われちまった。」
    「…え?」
    「…実は、俺も誘おうと思ってたんで。」
    「ほ、本当ですか!?」
    「おう。ガル子さんのこと、試合がある度に球場内で見かけてました。その仕事すげえ大変だろうに、いつもニコニコ頑張ってんなぁって思ってさ。」
    その強面がどんどん頬を赤くなっていって、私も嬉し恥ずかしでマフラータオルに顔を埋めた。

    「……今夜、メシ行きませんか?ガル子さん何時上がり?」
    「後片付けがあるので、いつも試合終了後30分くらいです!」
    「良かった〜おんなじくらいだ。んじゃ4号門前でずっと待ってる。アレのアレへ向けて決起集会しようぜ」
    「は、はいっ…!!」

    ━━夢なんかじゃないよね!?天にも昇る気持ちになり、念の為自分のほっぺをつねる。大丈夫、ちゃんと痛い・・!

    再び、ワァァァーーꉂ📣という大歓声で我に返った。
    「お!よっしゃ、サヨナラヒット!」
    「すごい!やりましたねー!!」
    笑い合って、ぱちんとハイタッチをした。


    先頭打者ホームランとかマルチヒットとか、そんな大それたものじゃなくても構わない。
    まずはキャッチボールのように、ゆっくりゆっくり二人の仲を育んでいけたらいいな。そんな風に、こっそり願うガル子ちゃんなのでした♡
    (ちなみに、この日のビール売上1位だったみたいですー!これってキセキ!)

    🍻♥𝑭𝒊𝒏.⚾🏏

    +28

    -4