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15519. 匿名 2023/10/31(火) 23:04:14
>>9760
修学旅行が終わりいつもの日常が戻ってきた。あれから、時透くんとは何も無い。
心の中では、何かを、期待してはいたけど、自分から行動するのが怖かったのだ。
何故か、その日は友達と一緒にお昼ご飯を食べる気になれなくて、秋空を近くに感じたくて普段は行かない屋上に足が向いていた。
お母さんが作ってくれたお弁当を大事に抱えて、階段を昇る。
ガチャと軋む屋上の扉を開くと、そこには長い髪を風に揺らして、最後の花びらを掴んだ時透くんが居た。
「あ、来た。」
「花…占いしてたの?」
「うん。来るか来ないか賭けてた。好きな子が来てくれたらいいなって。」
「好きな子…」ああ、ごめんね。何か期待させちゃったね、私が来るなんて思ってなかったよねと慌てる私に涼しい顔をして、
「何言ってるの。分かってるくせに。」
また、あの時みたいに翳りを帯びた青い瞳が揺らめく。
「好きだよ。ガル山ガル子さん。僕の彼女になって?」
断るだとか、お友達からだとかそんな事を言う選択肢すら消え失せる様に、その眼差しに吸い込まれていく。
頷く私を自分の隣に座らせて、優しく重なった唇と頬に添えられた、優しい掌に思わず目をギュッとつぶって応じた。
私にとって産まれて初めてのキス。
目をそっと開く。
「ガル山さんは、キスの時は目を瞑るんだね」
えっ、時透くんは目を瞑ってなかったの?
問いかける前に彼が言った言葉は
「僕の事をもっと好きになって。何も考えられなくなるくらいに」
おわり
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15528. 匿名 2023/10/31(火) 23:09:14
>>15519
あっ続きが…!屋上で髪を靡かせるむいくんが目に浮かんだー!ぜんぶのセリフが刺さる…+20
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15542. 匿名 2023/10/31(火) 23:16:29
>>15519
あ、あのとんでもねえ(褒めてる)むいくんの続きだ!
有無を言わさないのさすが~!+23
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