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15441. 匿名 2023/10/31(火) 22:13:44
>>15429
⚠️解釈違い🐍 ⚠️己の趣味に全振り ⚠️長丁場 ⚠️何でも許せる方向け
『初恋の君を想う時』最終話
小芭内さんが我が家に戻って来てから一年が経った。我が家には今日も子どもたちの元気な声が響いている。「ガル子先生、さよならー」「はい、さようなら」「さよなら、先生!」「さようなら。気をつけてね」夕方になり子ども達が帰ると、一気に家の中が静かになる。
元蛇屋敷はあれから小さな学校になり、私達は賑やかで穏やかな毎日を送っている。私は読み書きや算術を教え、小芭内さんは川柳や俳句、書道などを教えている。彼は不定期な教室も開催しており、この夏は蛍を見る会を開いた。次は星を見る会を開くのだと言って、今はその準備に忙しそうだ。
学校を始めた当初は彼の顔の傷や眼帯、首元の鏑丸に怯える親子もいたけれど、小芭内先生の授業は面白いと徐々に評判を呼び、今では誰も彼の顔の傷など気にせず通うようになっていた。そんな毎日は程良く忙しく、賑やかだった。
私達には子どもがいない。あの闘いで二人揃って痣者になってしまったからだ。痣の伝承については思う事があり、もしかしたら二十五を過ぎても生きていられるかもと淡い期待はあるものの、確証は無い。
「来世に期待しよう」ある日、小芭内さんがそう言った。「そうね」「生まれ変わっても、また君を見つけるから」「私もよ。絶対に貴方を探して見つけるわ」「ずっと一緒だ」「ええ、ずっと一緒よ」それで良いと思った。だって私達は今、物凄く幸せだもの。彼と過ごす穏やかな毎日が、本当に幸福に満ちていた。
そんなある日、散歩から帰った小芭内さんの懐からふわふわの毛玉が現れた。生後二ヶ月ほどの子猫だった。
「やだ可愛い」「だろう?」「拾ったの?」「古本屋のご主人の家で八匹生まれたんだ」「そう───」子猫をくすぐると、目を細めて気持ち良さそうにごろごろと喉を鳴らす。薄茶色の眼に、これまた淡い茶色の中途半端に長いふわふわの毛───なんだろう、なんか、この子───
「似てるだろう?」「うん」そんな気がする。
「ご主人が子猫のもらい手を探していてな。一目見てからこの子がどうにも気になって通い詰めていた」「そうなんだ」思わず笑みが漏れる。
「君とよく似た金茶の瞳をしてるだろう?毛の色も君の淡い髪色ととてもよく似ている」「うん」「うちの子にしてもいいだろうか?」「仕方ないなぁ」自分達の余命が気掛かりだけど、連れ帰ってしまったのなら仕方ない。どの道我が家は既に住人が多い。彼の腕の中の子猫を撫でた。
「名前決めなきゃね」「ガル子」「え?なぁに?」「だから、ガル子」彼に抱かれた子猫がにゃあと鳴いた。「だからなぁに───って、ちょっと待った」嫌な予感がする。
「『ガル子』なんだ」子猫を顔の前に持ち上げ、その影から下がり眉毛で訴えるような視線を投げかけてくる。
「ねぇなんでそうなるの?」「通い詰めていたと言ったろう?君に会わせるまで仮でガル子と呼んでいた」「うん、で?」「定着してしまった」「で?」「『ガル子』でいいだろうか?」「ややこしいから嫌」「困ったな」「なんでそんな名前で呼んだのよ」「君に似てたから」「も〜〜!」
こうして我が家の住人は、隻眼の元蛇柱と一匹の白蛇、二羽の鴉と一匹の金魚、それから一人と一匹のガル子となった。
ひと息つこうとお茶を淹れ、この時間はいつも縁側にいる小芭内さんの元へと向かう。鏑丸と一緒に畳の上に寝転がり、静かな寝息を立てる彼の胸の上に、我が家の新参者が気持ち良さそうな顔をして寝ている。音を立てない様にそっとお盆を座卓に置いた。
「───そこ、私の場所なんだけど」
起こさない様にそっとそーっと小さな身体を自分の胸元に掬い上げた。身じろぎもせずに眠り続ける子猫にほっと胸を撫で下ろす。胸に抱いたまま横になり、彼の胸の上にそっと自分の頭を寄せて目を閉じた。首元に鼻先をうずめて深く胸いっぱいに息を吸い込んだ。
「───愛してるわ」
来世もその次もそのまた次も、私は貴方に恋をする。
(おわり)
長々とお付き合いくださりありがとうございました。この後コソコソ裏話をして終わります。+35
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15452. 匿名 2023/10/31(火) 22:22:03
>>15441
>>
コソコソ裏話 & お礼
【初恋の君を想う時】
最初に、この長すぎる駄作にお付き合いくださった全てのガル子さん達、本当にありがとうございました。
あまりの長丁場な上に語彙力がミジンコなので、最後まで読んでくださる方は居ないかもなと思っていたので、文字が大きくなる程のプラポチいただけて凄く嬉しかったです。それだけでも十二分に嬉しいのに、更にはコメントくださる方もいて涙出そうでした。個別にお返事せず、いつもまとめてで申し訳ありませんでした。
長文が苦手な方には、この長丁場な存在だけでもう地雷だったかと思います。他にも配慮不足や解釈違い等、至らぬ所が多々あったと思います。不快に思われた方々、心よりお詫びいたします。
コソコソ裏話と言う程の特殊な設定も何も無い、伊黒小芭内という人物に沼落ちした一人のガル子が、推しへの愛をただただ書き散らかして出来たお話です。
私の中での推しは、息をするように愛情表現をする人という解釈なので、彼を動かすとほぼもれなく大人表現が出ます。極力抑えて書いたつもりですが、苦手だった方には重ねてお詫びいたします。推しのネチネチ感があまり出ていませんが、彼はきっと意中の人にはあまりネチネチせず、にこにこ笑って相手の話を聞いて受け入れてくれる人という解釈なので、本作品の中での推しはこんな姿になりました。解釈違い甚だしかったらごめんなさい。
心理描写や会話に重きを置き、読んでくださる方にその場の情景を思い描いていただけるよう努めました。その上で出来る限り簡潔に書こうとしたのですが、結果この長さになりました。文才無いのに長文トライしてしまってすみません。
題名も決まらないうちに見切り発車もしたし、中盤からは即興で書いていたので、伏線の回収漏れも多々あるかと思います。でも書いてみたいと思っていた大正軸の推しの話を書けて、それを最後まで投稿させていただけて、本人今とてつもなく満足しており、感謝の気持ちでいっぱいです。
コソコソ裏話らしい事と言えばひとつだけ。五話から少し登場した、台所にいた隠さん三人組ですが、彼らは今もこの元蛇屋敷で働いてくれています。女性二人のうち一人は炊事洗濯の家事を、もう一人は学校の業務補助、男性一人は掃除やお屋敷の管理業務を担当しながら、ガル子と推しを手伝ってくれています。
このコメントも長いですね。重ね重ねごめんなさい。
最後に、この長すぎる駄作にお付き合いくださり、コソコソもここまで読んでくださった全てのガル子さん達に再度お礼を申し上げて終わります。
本当にありがとうございました🐍♡
追伸)音柱様、お誕生日おめでとうございます🎉🎂🎊お嫁さんの皆様と、素敵な夜をお過ごしください❗️お目汚し失礼しました。+51
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