-
1258. 匿名 2023/10/08(日) 10:14:50
>>1254初恋🍃(後編)
⚠解釈違い
「やべェ、隠れろガル山」
「へ?なんで?」
「いいから!」
グイッと手を引かれ、デスクの下に2人で潜り込んだ。不死川先生の右腕は私をすっぽり包むように背中に回され、極狭の空間で、私達の体は薄いシャツだけを間に挟んで密着している。
まるで少女漫画みたいなシチュエーション。耳元を掠める不死川先生の吐息のせいで、心臓が駆け足を始める。
「おーい不死川ー、メシ食い行くぞー」
美術の宇髄先生の声だ。
息を潜め、不死川先生に目配せをして、なんで?と口パクで訴える。不死川先生は、「しー」と人差し指を口元に当てて、左の口角を上げて笑った。そして私の耳元で、
「…懐かしいなァ、ガル子」
────あぁ、覚えていてくれたんだ。
私達は、小学生の時のほんの数ヶ月間、同じ団地に住んでいた。親同士が親しくなった縁で、彼の幼い弟達と、彼らの部屋でよくかくれんぼをして遊んだ。
「いーち、にーい…」と弟が10数える間に、私が潜り込んだ押し入れには、先客がいた。
体を小さく丸めた彼は、「しー」と白い歯を見せて笑って、2人で体をくっつけて息を潜めて隠れていた。見つけられなかった弟がとうとう泣き出して、2人で慌てて飛び出して宥めたのを覚えている。
「宇髄!不死川はいたか?」
「…あー、そういやアイツ今日デートだって言ってたの忘れてたわ。今頃彼女とよろしくやってんじゃねぇの?」
小さくなっていく同僚達の声に、不死川先生が隣で「チッ」と小さく舌打ちをした。
「デートなんですか?」
「違ぇわ。宇髄の奴気付いてやがったな。あの地獄耳野郎」
漸くデスク下から出ようと不死川先生が体勢を変えた時、ポケットから何かがポトリと落ちた。
「あー!これ私のUSB!なんでサネちゃんが持ってるの?!」
驚きの余り、昔の呼び名が出てしまった。「サネちゃん」は眉尻を下げて、困ったように笑った。
「…初恋の相手が、綺麗になって目の前に現れたんだから仕方ねぇだろ。合コンなんか行かせてたまるか」
…何故合コンの事を知っていたのかは置いといて…
「私に残業させた罪は重いよ?サネちゃん」
「何をして償いましょうかお姫様ァ」
静まり返った職員室のデスク下。
私達は額を寄せ合い声を潜めて、かくれんぼと初恋の続きを始めた。
「好き」
「俺はもっと好き」
誰にも見つからないように、そっと唇を重ねた私達を、雲間から顔を出した満月が見下ろしていた。
おわり
+43
-11
-
1261. 匿名 2023/10/08(日) 10:18:19
>>1258
は、初恋の続き~~💕ラストのセリフで糖分過多カッターです!!なにこれほん素敵♡♡+23
-2
-
1272. 匿名 2023/10/08(日) 10:35:22
>>1258
机の下のドキドキに、昔の呼び名に、そして私も私もラストのセリフでやられた…😇
察してくれるウズセンも素敵!+24
-2
-
1279. 匿名 2023/10/08(日) 10:41:36
>>1258
机の下で……💕心臓いくつあっても足りないとはこのことだわ😇
気持ちを確かめ合う言葉も素敵💚
+22
-1
-
1297. 匿名 2023/10/08(日) 11:10:20
>>1258
さねみんの体温感じた😇+20
-0
-
1469. 匿名 2023/10/08(日) 16:33:07
>>1258
わあ〜
いいなあ〜
ほわわ〜😍として
もうそれしか言えない!
+19
-0
削除すべき不適切なコメントとして通報しますか?
いいえ
通報する