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10982. 匿名 2023/10/23(月) 20:53:04
>>10918
「鬼滅メンズとデート企画当選」🌫️3
立体のむいくんが目の前で私に自己紹介してる
「い、いえ、こちらこそ、あ、ありがとうございます」
「今日は君の行きたいところに行こう。来てくれてありがとう」
「いえっ、こ、こちらこそですっ」
「そんなに緊張しないで」
「す、すみません。む…時透さんに会えるなんて、夢みたいで」
「時透さん?いつも俺のことそんなふうに呼んでるの?」
「あ、いえ、あの、はい」
「むいくんて呼んでる子も多そうだけど」
「いえいえいえいえ、あの、時透さんで」
「…ふーん」
彼は少し不満気に答えたが、すぐに機嫌を直して「じゃあ、まずどこに行く?」と笑顔を見せてくれた
うっわぁあ!ニッコー出ましたぁ…!本物だ!プロなんだなぁ
彼が本物で、仕事でデート企画もこなしてしまうプロフェッショナルなんだと実感すると、私は急に落ち着きを取り戻した
彼は鬼滅の刃の時透無一郎で、私の推し。私はデート企画に当選して、彼は仕事で来てくれてる。別に本当のデートじゃない
そう思うと、今日一日この幸運を目一杯享受しよう!という気になった
そこで私は
「私、あなたを連れて行きたいところがあるんです。そこに行きたくて、待ち合わせをこの駅にしたんです。すぐ近くなんで行ってもいいですか?」
そう言って、目の前にある百貨店を指差した
(つづく)+33
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10991. 匿名 2023/10/23(月) 21:00:41
>>10982
わぁ♡続きが気になる!楽しみにしてますね😊
+16
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10993. 匿名 2023/10/23(月) 21:02:12
>>10982
デート開始早々にニッコーが出たーーー!!
それだけで嬉しすぎるよ💕
+18
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11033. 匿名 2023/10/23(月) 21:32:49
>>10982
むいくんって呼んで欲しそうなむいくんにキュンキュン!
もう自己紹介からキュンが止まらない〜✨+16
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11336. 匿名 2023/10/24(火) 18:06:02
>>10982
「鬼滅メンズとデート企画当選」🌫️4
百貨店に入りエスカレーターを乗り継いで向かう先は、かなり広い売り場を設けている有名文具店だ
「私ね、もし時透さんと会えたら、絶対ここに連れて行きたいって思ってたんです」
店内に入り、奥のエリアに案内する
整然と壁に並んだ木製の棚には、ありとあらゆる紙が収められている
「ね、見てください!凄い種類の紙があるでしょう?こんなものも置いてあるんですよ」
私は棚の端に立てかけられた書籍を引き抜いて彼に見せた
「紙飛行機BOOK…」彼がつぶやく
「そう!こんな本があるんです。いろんな紙飛行機の作り方と、それに適した紙がセットになってるの。この棚にはほら、日本紙飛行機協会認定の、競技用の用紙!もしかしたらもうご存知かも知れないけど」
「いや、知らなかったよ。競技用の紙なんてあるんだ」
「私も見つけた時嬉しくって。これをむ…時透さんにプレゼントしたいなぁ、いろんな折り紙もたくさん置いてあるから、見せてあげたいなぁってずっと思ってたんです!」
私が彼を見上げると、彼は世にも優しい表情で私を見ていた
その顔が、最終話で見た大好きな笑顔と重なって心臓が大きな音を立てる
「ですからこれを買って…一緒に飛ばして遊びたいなって…」
私は茹で蛸のように赤くなりながらうつむいた
「うん、やろうやろう。へぇ〜いろんな色があるんだね!俺この色がいいな。これと、この紙も買おう。あ、こんな本もあるんだ。なるほど割り箸やゴムも使って飛ばすタイプだ!」
しどろもどろになっている私をフォローするように、彼がはしゃいで商品を手に取る
喜んでくれたかな?もしそうなら嬉しいな
これは私がプレゼントするというのを彼は制して、「今日はそんな心配しないで。俺は『彼氏』なんだからさ」と言った
そんな嬉しいセリフを言ってくれる彼に、私も彼女気取りでありがとうと笑顔を向けたかったのに、そんな余裕はどこにもなかった
ダメだ、固くなってちゃ。彼に気を使わせてしまう
私はレジに向かう彼を見送りながら、ほぼ無呼吸状態だった息を必死で整えた
(つづく)
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