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10232. 匿名 2023/10/22(日) 08:32:13
>>10227
キツネ公園の2人
第七話
俺は毎日動物について勉強していた もっと縁壱さんの為に働けるようになりたいと思っていたからだ 誰かの為になんて気持ちは初めての感覚で最初は戸惑い不思議だった
そして1カ月後に初めて動物のお世話を任された ハムスターは指の隙間から逃げようとするし、モルモットは見た目は大きいが臆病だから小屋から出て来なくて一苦労、アヒルからはクチバシで突かれ、うさぎは噛まれると物凄く痛いし、ポニーには後ろ脚で蹴られて尻もちをつくなど散々だった
「動物達ってあんなに小さい身体ですごいパワーありますね」『動物園は学生さん達のおかげで人手が足りるようになったし、童磨さんは毎日忙しくても夜遅くまで勉強して動物と仲良くなる為に努力していたので安心してお願い出来ます 困ったらいつでも声かけて下さいね』動物だけじゃなくて俺の事まで気にかけてくれるんだな…ずっと言い出せなかった事を今日は話そうと思った
「縁壱さん 実は俺…感情ってものが昔から無くて…嬉しさや悲しみ、優しくするってどう言うものかずっと分からなくて…小さい頃からズル賢く生きてきました…大人になっても相手の気持ちが分からなくて寄り添うフリをして適当に嘘をついて周囲の人達を騙したりしていたんです…最低ですよね…」『…童磨さん 話してくれてありがとうございます…以前はそうだったのかもしれませんがここに来てからの貴方は動物達の為に頑張っています それは言葉を話せない相手の気持ちに寄り添うということなのではないでしょうか?』
こんな話をしてきっと嫌われると思っていたのに意外だった 更に縁壱さんは話し続けた。+24
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10342. 匿名 2023/10/22(日) 14:53:25
>>10232
キツネ公園の2人
第八話
『初めて童磨さんに出会った時にちょっとだけキツネに似ているなって思いました…こんな事言ったら失礼なんですが…笑顔の奥が少し寂しそうで…だから車に乗せたんです なんか放っておけなくて…』
「えっ…」
『でも悪い人では無いと思ったんです…だからここに連れてきました』
「…」
『動物って不思議な力があると…例え言葉が通じなくても撫でると癒されたり、慈しむ気持ちなども育まれる気がします』
「確かにここに来てから生まれて初めて生き物に対して優しい気持ちというものになりました」
『過去にはもう戻れません…大切なのはこれからの童磨さんの生き方です 私はきっと変われると信じていますよ』
俺の目の奥から熱い何かが溢れる これが感動と言う気持ちなんだ
『私はこれからも童磨さんと一緒にこの動物園で働きたいです…もし同じ気持ちなら嬉しいのですが…』
「こんな俺で良ければ…これからもお願いします」
固い握手を交わして俺は親友と呼べる存在に出逢えたのだ。+21
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