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10071. 匿名 2023/10/21(土) 22:34:10
>>9799
キツネ公園の2人
第二話
縁壱さんはキツネ公園という場所の中にある[ふれあい動物園]で働いていて経営が厳しいのでボランティアの人達の手を借りたり、今日みたいにスーパーなどで廃棄する野菜の葉っぱなどを譲ってもらったりしているそうだ
「キツネ公園ってもしかしてキツネがいるんですか?」『以前は飼っていたそうですが今は小動物とポニーだけがいますよ』
縁壱さんの自宅は公園の隣にある平屋の古民家だった 軽トラを駐車場に停めると『童磨さん着きましたよ お疲れ様でした』と言われて俺も車を降りる 初めてなのにどこか懐かしいような不思議な感覚になる『何も無い家で申し訳ない…』と言いながらお茶を出してくれた「こちらこそ急にお邪魔して初対面なのにご厄介になってしまって…」お互いにお辞儀をしてしまい吹き出した
聞けば同い年でこの古民家は前の家主から譲り受けてその際にふれあい動物園の管理も任されたそうだ お世話になる御礼をしたいと伝えると『…ではふれあい動物園のお手伝いをしてもらう事は可能でしょうか?』思いもよらない提案だったが俺はある心配があったので恐る恐る聞いてみる「実は俺…動物と触れ合った事が無くて…そんな俺でも出来ますか?」『アレルギーとかでは無いなら大丈夫ですよ』
とりあえず明日から手伝う事になったので今日は早めに休む事にした。+19
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10103. 匿名 2023/10/21(土) 22:56:25
>>10071
キツネ公園の2人
第三話
ふれあい動物園の朝は早い まだ五時半なのに縁壱さんは起きて支度をしている俺は寝癖のついた髪で「おはようございます…早いですね」『おはようございます 動物達もお腹空かせていると思うと自分の朝食より先に準備しなきゃと思っていつもこの位の時間に起きているんです』動物の気持ちねぇ…自分の感情も無いのにどうやって気持ちを知れば良いんだろう…きっと縁壱さんに話したら心配しちゃうからこの事はまだ話さないでおこう
『これ私の作業服なんですがもしこれでサイズが合えば…』きちんとアイロンがかけられた作業着を手渡される「サイズもぴったりですよ!俺は何すれば良いでしょうか?」『まず動物園の敷地内のゴミ拾いをお願いします 万が一動物達が口にしてしまうと大変なので』「分かりました!頑張ります‼︎」
早朝の公園は空気がひんやりして気持ちが良い 近くの池には蓮の花が咲き朝露が葉の上で輝いている「最初から動物のお世話とかじゃなくて良かったけど結構ゴミ落ちてるな なんで持って帰らないんだろう」1時間程で公園内のゴミ拾いは終わり縁壱さんに「こちらは終わりました!次は何をしますか?」と声を掛ける『じゃあ我々の朝食にしましょう ご飯も炊けました』自堕落なヒモ生活していた時は朝食を食べないで昼過ぎに起きていたが今日のように朝から身体を動かすと空腹という感情を覚えるのだと初めて知った『ご飯食べたらふれあい動物園の施設について説明しますね』と用意された朝食はご飯にお味噌汁と焼き魚と漬物 シンプルだか今まで食べたどんなご馳走よりも美味しかった。+17
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