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227. 匿名 2022/10/29(土) 21:16:25
2. 微物検査で冤罪はなくならない~「ない」ことは、何も語らない~
インターネットで少し調べると、なぜか複数人が、「微物検査」で冤罪はなくなったと発言しています。これは、全くのデタラメです。実際に裁判結果を検索してみることでも大うそだとわかりますが、そもそも証拠の扱われ方を考えれば、論理的にありえないとわかります。
衣服の繊維がAさんの右手から発見されれば、手がVさんに触れたのだろうという推認が働き、よりVさんの言葉を信じられるようになります。何かがあれば、そこから言える事実が出てきます。
それでは、服の繊維が手から出てこなかったことから、触れてないと言えるでしょうか?これを言うには、『服に触れたら必ず繊維が手に付着し、しかも必ず落ちたり離れたりせずに一定時間付着し続ける』という前提が必要になります。
そして、残念ながら服の繊維に、そこまでの前提はありません。そのため、裁判で微物検査による繊維不検出を主張しても、「それでもVさんが触れたと言っているからそれで立証十分。繊維はもしかしたら落ちたのかもしれない」で処理されてしまいます。
実際に、そのようにして有罪になっている事件もあります。何かがないことから立証をするのは、皆さんが思っている以上に、仮説の排除と特殊な前提が必要になるのです。+2
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