ガールズちゃんねる
  • 297. 匿名 2015/03/01(日) 14:14:00 

    『累犯障害者――獄の中の不条理』
    山本 譲司 20060915 新潮社,238p.
    山本譲司『累犯障害者――獄の中の不条理』
    山本譲司『累犯障害者――獄の中の不条理』www.arsvi.com

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    <第3章> 生きがいはセックス ――売春する知的障害女性たち

    横浜市 田中早苗さん(33)中度知的障害
    鑑別所5回 少年院1回
    10代前半から家出を繰り返し、行きずりの男とベッドを共にする。小遣いをもらうときもあった。16歳の時には、シンナーの売人と同棲をはじめる。結果的には、その男がポン引きとなり、売春の道へ入っていった。18歳の時に少年院に1年ほど入院し、成人してからは、キャバレーなどの水商売をするようになった。23歳の時に長男を妊娠するが、店の客であった相手の男性は忽然と姿を消した。長男は軽度の知的障害を持っており、現在は養護学校に通っている。

    早苗さんは、「たくさんのお客さんを相手にしたけど、みんな喜んでるし、何が悪いのか、よくわからない。それに、みんな必ず、あたしのこと可愛いとかきれいとか言ってくれたの。あたし、ほんとに嬉しかった。一緒に寝ているときの男の人は、優しいこと言ってくれるから大好き」と話す。(p.113)

    生きがい(p.121)
    「あたしだって人間よ。あたしみたいなバカでも人間なのよ」
    「あたしたちみたいな障害者はね、好きな人ができて本気で付き合っても、すぐにバカがばれて捨てられちゃうの。どうせ斉藤先生(養護学校の恩師)だって、山本さん(筆者)だって、あたしのこと、女としてみてくれないでしょ」

    障害を持った人たちには、「異性」や「恋愛」に対する異常なまでの執着が見られる。これらは、彼らにとって、人間としての最も基本的な存在意義であると考えられる。上に紹介した知的障害を持った女性たちにとって、客の男たちとセックスすることが、人間としての存在を自覚し、その喜びを実感する場面であり、そこにしか自分の居場所を見つけられなかったのだ。
    また、彼女らは、「福祉」という言葉を極端に嫌う。そして、彼女らは「自由でいたい」と言う。福祉は、「障害者」の性行為を含め、多くのことを制限する。「障害者」がすべきでないことを暗黙のうちに作ってしまっているのではないか。福祉は、画一的な福祉政策の中に彼女らを縛り付けようとしているだけなのかもしれない。

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