ガールズちゃんねる
  • 228. 匿名 2020/09/13(日) 23:09:28 

    >>15
    空き缶を標的に練習をし、うまく打てるようになると身の回りのものを撃った。内装中の家の電球、走行中の車の窓。空気銃では窓ガラスにヒビが入るだけだったが、車が急ブレーキを踏むと大喜びした。それから標的は生き物へと移った。エジプト人は鳩を食べるので、最初は鳩を撃ってそれを肉屋に売り、そのお金でまた弾を買うということをやっていた。そのうちに空気銃で猫を脅し始めた。そして、僕は誤って猫の頭を吹き飛ばしてしまったのだ 

    何ということをしてしまったのか……。呆然としていると、一緒にいたAという友達が「何で撃ったんだよー、何で殺したんだよ!」と、僕を責め始めた。
     僕は動揺し、混乱していた。僕だって撃つつもりはなかったのに、指が勝手に動いたんだ。そこにAがギャーギャー言いつのる。
    「うるせー、黙らないと撃つからな」
     僕は思わずそう言った。Aは「撃ってみろよ」とわめく。
     僕は覚えていないが、そばにいたBによると、僕らは「撃つぞ」「撃ってみろ」と何度もわめきあっていたそうだ。僕は空気銃を下に向けていたが、だらりと下ろした銃口がAの足に触れていた。わめきあっているうちに、指に力が入った。
     銃声がして、一瞬してからAが泣き叫んだ。「熱い!」「熱い!」 僕は友人の足を撃ってしまった。あわててタクシーをつかまえ病院に向かったが、この事件は学校だけではなく、カイロの日本人社会で大問題になってしまった。しょげかえっていたので、オヤジにはそれほど叱られなかったものの、僕は日本人社会で孤立した。

    「100万回のコンチクショー」より

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