ジョジョの奇妙な乙女ゲームPart4
390コメント2020/04/17(金) 21:37
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244. 匿名 2020/04/07(火) 20:50:48
>>233続きです
「あ……ガル子さん、お待たせしました!」
ワインとグラスを片手で器用に抱え、もう片方の手を軽く上げたジョルノはガル子に駆け寄った。
(中に入らず僕を待っているなんて……控え目なガル子さんらしいな)
テーブルにワインとグラスを置き、慣れない仕草でガル子をソファへエスコート。さり気なく距離を詰め隣に座ると、なんとも言えない不思議な香りが鼻をかすめる。
ガル子からフワリと漂う香水と酒の香りは、恋愛経験が無い思春期のジョルノをひどく高揚させた。
想定内の小言を遮るようにワインを注ぎ強引に乾杯をすると、折れた様子のガル子も続いてグラスを掲げ互いに一口飲む。
(よし………言うぞ!)
と意気込むが二人同時に言葉を発してしまい、ジョルノは出鼻をくじかれてしまう。しかしガル子の「どうぞ」というサインに甘え、まずは謝罪から始める事にした。
「あの………僕、ガル子さんに失礼な態度を取ってしまって」
(……あれ?この後は何と言うんだったっけ……?)
あれだけシミュレーションしていたのに、続きの言葉が全く出て来ない。グラスに入っていたワインを飲み干し必死に思い出そうとする。
「大丈夫、あれだけハッキリ断ってくれた方が私は………」
「違うんだ、ガル子さん!僕は…………」
ガル子の言葉を強く否定し二杯目のワインを注ぐと、それも一気に流し込んだジョルノ。
(あ………何だこれは……?頭が回る………ガル子さん、君が……好きだ………)
「う……………」
まだ外が薄暗い早朝、顔に当たる柔らかな感触に目を覚ました。
(僕は一体………そうだ、ワインを飲んで意識が飛んでしまって…………ん?)
寝惚けながら顔の向きを変え、その柔らかい膨らみにそっと触れてみる。
(これはもしやガル子さんの、む………ね……?!)
慌てて手を離し自身の置かれている状況を確認すると、枕替わりにしているのがガル子の膝だと分かり更に驚愕するジョルノ。
(………う、うわっ!!)
驚きのあまりソファから落ち大きな音を立ててしまうが、ガル子から聞こえる小さな寝息にホッと胸を撫で下ろした。
(僕が何故、ガル子さんの膝に……?!記憶が……)
バクバクと大きな音を立てる心臓、見る見るうちに熱を帯び赤くなる顔、中央から火照る身体……男性故に反応をしてしまった部分を鎮めるべく、窓の外の景色に目をやり今日の予定を確認する。
(あぁ、今日はこれから任務があったんだ)
このまま二人で過ごしたい……許されない想いを打ち消し机に向かうと、ノートを引っ張り出し適当に一枚破った。ガル子宛のメッセージを書き記し、昨晩の残骸を片付けてからテーブルに置く。
ガル子の身体に優しく毛布を掛けてやり、名残惜しそうに寝顔を見つめるジョルノ。頬と唇を交互に行き交う視線はやがて頬に定まり、恥じらいながら唇を落とした。
「ガル子さん、行ってきます」
(僕が君の恋人になれたら、唇を………)
+14
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246. 匿名 2020/04/07(火) 21:18:49
>>244
からの離ればなれ!続きが気になる~!
昔はジョルノの魅力に気付かなかったけれども、投稿者さんのおかげで気付くとこができた(^-^)
ありがとう♪+13
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254. 匿名 2020/04/08(水) 18:23:52
>>244続き、本編に戻ります
あの日の記憶に誘われるまま歩き続け、到着したのはとある公園。ガル子が愛を伝えてくれた場所だった。
「君との思い出がもっと欲しかった………」
自分の気持ちに気が付いていたら、もっと早く気持ちを伝えていたら。例えガル子の任務は避けられなかったとしても、違う結末を迎えられたかもしれない。
ゆっくりと景色を眺めあの日ガル子が座っていたベンチに向かいながら、たった数日間の初恋を噛み締めるように思い出す。
「最後に見せたのがたったワイン二杯で酔い潰れた僕だなんて…………ん?」
ベンチが近くなって来ると女性が俯き座っているのが視界に入る。(先客か……)と思ったが見覚えある長い髪をかきあげる仕草、そしてはっきりと見えた顔に自身の目を疑った。
「…………………ガル子さん?!」
他人の空似か、彼女が恋しくて幻を見ているのか……?ガル子がこんな所に居るはずはない。しかしジョルノはその名を叫ばずにはいられなかった。
「ガル子さーーーーんッ!!」
その大きな声に女性は驚き立ち上がると、ボストンバッグを抱え逃げるように走り出してしまう。
「待って下さい……ガル子さん!!」
全速力で追いかけるジョルノに呆気なく捕まった女性は、やはり紛れもなくガル子だった。
「ハァ………ハァ……何故逃げるんですか……」
ガル子の手首をしっかり掴んだジョルノが、呼吸を整えながら問いかける。
「………………………」
「ガル子さん?」
「人違いだったの………」
「え……?」
潜入調査の任務はガル子と似た名前の他の人物への指令である事が判明。
元々当日に潜入先組織の詳細等を知らされる予定であった為、その該当人物及び同任務への支障は無い……との事でガル子は元の所属先に戻るようにという連絡が出発直後にあったという。
「じゃあ……ガル子さんは今まで通り、僕達と一緒に……!」
「私………」
「…………?」
暗い表情の理由が分からず返す言葉が見付からないジョルノに、ガル子が少しずつ心情を吐露し始めた。
「誰も知らない土地で、やっと気持ちを整理出来ると思ってたのに……」
「あの、ガル子さん……待って下さい僕の話を」
「覚悟をしてたのに……ジョルノの顔を見たらやっぱり、私………」
「……………………」
「ごめんなさい、泣くつもりなんてなかったんだけど……」
突然の涙に戸惑いハンカチを差し出そうとしたジョルノは、ガル子の口から信じ難い言葉を耳にする。
「だから私、しばらくどこか遠い国に行こうと思って。いつになるかは分からないけど……必ず気持ちにケジメをつけて帰って来るから!」
「………行かせません」
もう離すものかとガル子を強く抱き締め、耳元で囁くように懇願する。
「お願いだ………僕の話を聞いて下さい」
選択肢
①「もう決めたから」とジョルノから離れる
②小さく頷きジョルノの腕の中で話を聞く
ここでは②を選択し続きます。
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260. 匿名 2020/04/09(木) 06:59:00
>>244
リゾット書いてる者です。
今トピにざっと目を通したら、>>244の直後の私の投稿内容(表現)が被ってしまってました(ό௰ὸ)その辺の確認がしきれてなくて済みません…。+7
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381. 匿名 2020/04/17(金) 19:59:16
お目汚しの長文でとても迷いましたが、まとめさせて頂きました。拙いストーリーにも関わらず読んで頂けた全ての方に、心よりのお礼を申し上げます!
日本式バレンタイン
>>161ジョルノ、ブチャラティ、アバッキオ
>>186ミスタ、ナランチャ
ジョルノその後
>>308>>324>>330>>347>>361
ジョルノ>>141>>156>>174>>188>>199>>205>>215>>233>>244>>254>>270>>281+8
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