小説風に、今年の出来事を振り返るトピ（長文歓迎！）

[356. 『１月４日マチ子』③]

「何で帰ってきたの…。帰ってこなかったら良かったのに…。」
マチ子は堪えきれず泣いた。

「ごめんな…でも、俺は帰らない。」

「じゃあ、私が出て行くから！！！」
と言うマチ子に

「黙れよ」
と彼は一言だけ言った。
その言葉は彼の心の温度を表すように冷たく、そして重かった。

マチ子は黙ってしまい、それ以降、自分が出て行くとは言えなくなった。

「俺があの家に帰りたくないんだから気にするな。静かに過ごしたいのに、一人で居させてくれない家なんだよ…。息がつまるんだ…」
遠くを見る彼の言い分は随分と身勝手だった…。

「でも結婚してるんだから…。私はこんなのは嫌よ！それに、奥さんと上手くいかないから都合よく私の所に来るなんて…。私の事バカにしている…。」

「バカにはしていない。マチ子に悪い事していると思うよ。でも帰らない。やっぱりここにいたいんだ…。」
話をしてみても、お互いの気持ちは絡み合う事は無く、無駄に時間だけが過ぎていった。

───１月５日に続く───