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印象的だった読み切り漫画

91コメント2018/05/09(水) 14:54

  • 72. 匿名 2018/04/09(月) 21:37:20 

    太刀掛秀子さんの短編「ペペ・ピアティ」。
    イギリスの仲の良い姉妹にプレゼントされた可愛らしいフランス人形。
    時は流れ、姉は結婚するが、フランスに留学する妹に人形を託す。
    その妹はフランスで自分の人形と少女が映った写真入りの古い絵葉書を手に入れる。
    一方新婚の姉は氷のように冷たい大家の婦人に大苦戦。そこへ妹からくだんの絵葉書が届く。
    絵葉書には「ピアティーヌ」という名前が。その絵葉書を見た大家夫人は顔色を変える。
    むかし、彼女はパリに住み、夫と可愛い娘ピアティーヌがいた。7歳の誕生日に人形をプレゼントされた
    ピアティーヌは人形に自分の名前をプレゼントする。(その記念に撮った写真が絵葉書として売り出された。)
    しかし戦争がはじまり夫は戦地に。パリは空襲に見舞われる。戦争で大家夫人は家も夫も娘も何もかも亡くし、
    残されたのは人形のピアティだけだった。そのピアティも戦後の生活難で手放すはめになる。
    生まれ故郷のイギリスに身内を頼って帰ってきたものの自分からすべてを奪った運命の不当さを恨み呪い、彼女は
    人をよせつけない冷たい人間になってしまったのだった。
    その彼女が何年ぶりかに涙を流し、「この絵葉書を私にください。」と頭をさげるシーンは涙がちょちょぎれる。
    こうして姉娘と大家夫人は和解。大家夫人は世の中を恨むのをやめ、姉娘と人形の話をする。
    あの絵葉書は「2人のピアティ」が「お母さんを心配して」届けてくれたのに違いない、ぜひ1度ピアティ(人形の方ね。
    この漫画はとても良い話だけど唯一納得がいかないのは姉妹が子供の頃から人形を「ドール(お人形)。」と呼んで名前を
    つけてあげないこと。話の展開上しょうがないけど1番のお気に入りの玩具がずっと名無しの権兵衛ってありえない、と
    思った。)を連れて遊びにいらっしゃい、と姉は妹に手紙を送るのだった。
    長くなってすみません。太刀掛さんの可愛い絵が素晴らしく生きているとても素敵な作品です。



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