ガールズちゃんねる
  • 249. 匿名 2017/01/14(土) 00:45:13 

    しかし、間違った情報を信じ込んでいる消費者の不安を鎮め、環境負荷軽減を目指すためにも、なんらかの目標は定めたい。でも、うっかり数字を出してそれが一人歩きし、野菜をいちいち測ってオーバーしたのしないのという騒ぎになるのは怖い—-。農水省の雰囲気はこんな感じではないだろうか。

     農水省の動きはともかくとして、「なんだ、食べても危険じゃないんだ」で、この問題を終わりにしてほしくない。視点を環境問題に少しずらして考えれば、子や孫の安全を現在の私たちが脅かしていることに気付く。単純なことだ。日本は大量の食料や飼料、肥料を輸入しており、輸出量はごくわずか。その結果、輸入分に含まれる窒素百数十万tが、毎年家畜ふん尿や生ゴミなどとして日本中に放出され続けている計算だ。食料自給率を上げる努力を怠り、このまま毎年放出し続ければ、水や土壌、野菜の硝酸態窒素の量が増え続けて行くのは確実だ。

     私たちの子や孫の時代には、粉ミルクを溶く水に国産水を使えないかもしれない。富栄養化で生態系が大きく変われば、食料自給がさらに危うくなる可能性もある。これこそ、「食の安全」の危機ではないのか?目の前の野菜に一喜一憂するのでなく、次の世代のために、輸入依存の体質や歪んだ窒素循環を変えることを考えたい、と思う。(サイエンスライター 松永和紀)

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